第7話 寝床の準備をしてみよう
ここで一晩寝るとして
寝床ってどう準備すればいいんだろう。
やっぱり、聞くしかないよね。
〈リイナ、寝床を作るのに、何が必要?〉
いちいちの質疑応答だと、長くかかりそうだから、
ざっくり聞いてみることにした。
〈そうね。
まずは、火の確保って言いたいところだけど・・・
一人だと、かえって目立つし、
調理しようにも、材料がないから、いらないわね。〉
一番大事だと思ってたのに、驚きだ。
反って呼び寄せるところだった。
〈バックに、ベッドロールと掛け布がはいってるから、
それで、寝床をつくっておしまいかな。
あとは、夕食として、パンを水くらいね。
それ食べて寝るぐらいしか、やることはないわね
わたしは、この周りが安全かみてくるから、
何かあったら、呼んでね〉
そういって、リイナはふわふわと飛んで行った。
他にも確認したかったけど、まぁ、いっか。
テントとか、寝袋とかそういったものは、
贅沢いいすぎかな。
そう思いながら、バックに手を突っ込みながら、ベッドロールをイメージする。
今回はうまくいって、一回で布の塊を掴むことに成功した。
思ってた以上に、ベッドロールの作りはしっかりしているな。
流石に中に綿が入ってるわけじゃないから、硬いけど、すぐには悪くなりそうにないな。
そう思いながら、地面にベッドロールを敷いてみた
これで、少しは落ち着くことができるな。
地面にひくだけの面積が、ここにあってよかった。
さて、次は、掛け布か。
布の塊をイメージすればいいかな。
これも、失敗なく柔らかい感触をつかむことに成功。
だいたいコツは、掴めた気がする。
掛け布は、手触りがいいな。毛布とかは流石にないか。
さっそく、空中に広げてみた。
表裏なんてない普通の布と思ってたから、
びっくりした。
片方は、茶色布地で普通の布なのに、
裏面は、周りの色と同化してる。
〈リイナ、この掛け布すごいんだけど。〉
思わず、話しかけてしまった。
〈ふふふ、いいでしょ。認識齟齬の魔法がかかってるマジックアイテムだから、
それをかぶって寝てしまえば、地面と同化しちゃうから。人が寝てるって思われないのよ〉
なるほど、これなら、
一人で寝てる分には、見つからずにすむ。
かなりの優れものだ。
そうだ、
〈これを巻いて移動したら、モンスターに見つからずに、
移動できたりする?〉
完璧な移動方法が確立されたね。
〈それはだめね。足元まで、まいたら汚れるしから、効果が薄れるし、
前は見にくいし、
移動するときに木にひっかかったら、破けるし、
いいことがないわよ〉
〈まるで、やったみたいな、回答だね〉
〈そ、そんなことあるわけないでしょ〉
聞かなくても、判る答えが返ってきた。