第67話 クロムさんとのやり取りを観察してみよう
建物にはいると
厳かな雰囲気かと思ったけど、
結構、わいわい、シスターさんと町人が仲良く雑談していた。
「ここで、この地域でおきた問題を聞くんですよ。
まぁ、大抵の場合は、お話されて満足して
返っていきます」
ロビーに向かって歩きながら
幾人かの相談者を横目に、説明してくれた。
「まれに、モンスターの相談がありまして、
こちらで、冒険者ギルドに討伐依頼を
出してたりもします」
右側の部屋を指しながら、
ぐんぐんと奥に向って行く。
「そういえば、デッドリースパイダーを
森の中で襲われまして、
ムラサキさんにお話ししました」
僕は、世間話程度に話を切り出すと
「まぁ、そんな危険なモンスターが
山にいたんですか。
村の行き来にも、影響が出そうですね。
私の方で、姉と会話して、
討伐依頼を出しておきます。きっとこちらから依頼をだしたほうが、話がすんなり進みます。」
そういうと、こちらを振り返り、不思議そうな顔をした。
「そういえば、お名前を伺ってませんでした。
教えてもらえますか?」
〈リ、リイナと申します。〉
言い慣れない、リイナを意識して、返答したら、
言い回しが変になっちゃった。
「ありがとうございます、リイナさん。
まもなく、クロムさんの部屋です」
ミカンさんは、奥にある個室の前に立つと、
ノックを行った。
「クロム様、よろしいでしょうか。
冒険者様が、呪いのことで、
ご相談があるとのことです。」
「どうぞ」
綺麗な好きとおる声が聞こえてきた。
僕とミカンさんは、ドアを開けると中に入った。
中に入ると直ぐに、、
「私が、ここで、シスターをまとめております、
クロムと申します。」
椅子から、立ち上がり、
こちらをみながら、近づいてきた。
「ムラサキは、戻っていいわ、
お疲れ様」
いたずっ子のような笑みをしながら、
ミカンさんに視線を移した。
「クロム様、わざとでしょ、
ひどすぎです!」
ミカンは、文句をいいながらく口をとがらせて、
ドアの方を向いた。
「そんなことで、怒っていては、
修行が足りないわね、来年は見習いから、卒業できそうにないわね。
ムラサキは、うまくあしらってましたよ」
「もう、お姉様と比べないで下さい。
流石にひどいですよ」
そういうと、涙目になっていた。
ころころと感情が表に出る子のようだ。
「冒険者様が視てますよ、
あとで、市長さんからいただいた、クッキーがありますから、
一緒に食べましょう。」
どうやら、食べ物でつるようだ、わかりやすい。
〈そんなことで、許しませんからね。
では、失礼いたします〉
そういう顔は、笑顔になっており、
ドアをあけて、去って行った。
簡単につられてたな。




