第61話 目的地を見つけてみよう
転がり、降りたことによって、
近道ができたみたいだ。
先ほどよりも、大きく町が見えるようになった。
まだ、蜘蛛はこちらを観察している。
〈追いかけてくると怖いから、
少し走るよ〉
〈そうね、そのほうがいいわね。捕まったら、何されるか判らないし、
早くこの場から、立ち去った方がよさそうね〉
僕より早く、崖を降りてきて、狙ってくることも
考えられるから、
距離が離れた、アドヴァンテージを活かして、逃げ切ろう。
流石に、全力とまでいわないまでも、
6割ほどの力で、走り始めた。
10分ほど走っては、後ろを振り返ることを、
5回ほど繰り返した。
〈もう、大丈夫かな?〉
〈そうね、上空からみても、姿がみえないから、大丈夫だと思うわ。〉
一呼吸溜めると
〈それより、町がもうみえるわ、
まもなく、到着するわね〉
お昼には、まだ早く、
想定より半日は早くたどり着くことができそうだ。
しばらく獣道を進むと、立派な街道が現れた。
街道には、ちらほら、人がおり、
町に進むにつれて、人が増えて行った。
〈よかった、人が増えると安心するね〉
〈もう、大丈夫そうね〉
人が増えることによって、さらに安堵が増していった。
周りの人たちと同じ速度で、道を進んでいると、
村にあった門よりも数倍大きな門がたっていた。
特に塀はないため、今回も門も、ランドマーク的な意味合いなのかもしれない。
門の下には、多数の待ち合わせの冒険者やら、
村人や商人がおり、混雑していた。
〈人だらけだね〉
〈シャルルさんが、祭りっていってたから、
他の村や町からも、多数集まってきてるのかしらね〉
〈これだと、宿屋や旅館も埋まってそうだね。空いてるのを探すのは、苦労するかもしれないね〉
僕は、待ち合わせの人達を横目に、通り過ぎて行った。
〈昨日も話したけど、
まずは、教会か、ギルドを探しましょう、
でも、先に宿屋の確保も必要かもしれないわね。
どっちか、見つかったら、相談してみると、
いい案が、見つかるかも知れないわね〉
〈わかったよ、
リイナも、上空から、探してみてくれない。
こう、人が多くちゃ、見落としそうだよ〉
僕は、人ごみに流されながら、リイナにお願いをした。
そういうと、リイナは上空から周りを観察しはじめた。
〈どっちの位置もだいたい、わかったわ、
この先に、冒険者の群れがあるから、
そこが、ギルドだと思うわ。
ずっと、遠くに教会の建物があったから、
まずは、ギルドに向かった方がいいわね〉
〈ありがとう。とりあえず、そこに向かってみるよ〉
先に進むごとに、人が溢れており、
自分が前に、進んでいるのかも困難だ。
たしかに、先に進むごとに、冒険者が多くなってきてる気がする。




