第57話 水上都市に向けて出発しよう
買い出しも終わり後は、出発するだけになった。
「キャロさん、そろそろ、出発するわ。
そろそろ、お昼になりそうだし、
遅くなると、明日の到着が夜になりそうだから」
「わかったにゃ、門まで送るのにゃ」
そういって、猫化したとおもったら、
誘導し始めた。
人が多いとこだと、
踏まれたり、蹴られたりするから、猫人化してたのかな。
アンリさんから向かってきた方角と真逆になるのか。
あっちの門も、必要な意味がわからなかったが、
こっちの門も、壁や塀があるわけではないため、
くぐる理由がなかった。
リイナは、律儀に、門をくぐり、
キャロさんの方を振り向く。
キャロさんは、猫人化しており、
こっちに手を振ってる。
「また。くるといいのにゃ」
すこしづつ離れているが、まだ、元気に手をふってる。
ぼくらの肉眼では、判らないところまで歩いたが、
まだ、手をふっているだろう。
〈すこし、名残りおしいね〉
〈そうね、もっと撫でたかったね〉
そっちかよ。
いろいろなことが、この二日間であったが、
出発するときは、気持ちがすっきりしていた。
きっと、いい出会いだったからだろう。
〈また、この村に来たいね〉
〈そうね、アンリさんにも会いたいし、
早く二人で来れるようになるといいわね〉
彼女は、少し恥ずかしかったのか、
ほほを赤くしながら、先を急いだ。
目的とする水上都市は、
山の上である現状だと、米粒以下だが、
目的地が見えていると
こころなしか、安心してくる。




