第520話 青竜の間
本部は、三人称となります。すみません。
ヒビキは、大陸酔いがなくなったことで、少しづつ意識が戻り始めた。彼が握りしめた鍵は、青く点滅しより強く光ることで眩しさによって目を覚ました。
これは、何だろう
ヒビキは、不思議に思いながら鍵を握りしめその場に立ちながら辺りを見回すと、一番近くにいたリイナも同様に目覚め、事の次第を聞き始めた。
「ヒビキ、おはよ。
大陸酔いはいいとして、
そのカギって」
「きっと、シューリン様に呼ばれてるんだと思う。
そんな気がする」
ヒビキが、開いている空間に向けて鍵を前にだすとその先に水色の透明な扉が開現れた。
「じゃ、リイナ、行ってくる」
「ええ、わかったわ。
ここで、待ってるわ」
リイナを一度見たヒビキは、覚悟の元扉の鍵を開けると、扉は自然に空きヒビキを導いて行った。彼は、ゆっくりと一歩踏み込むと体が全て入った時、扉ごとヒビキの姿は消え去った。
「……ヒビキ……」
リイナは、消え去った空間を見つめ彼の無事を祈るしかなかった。
ヒビキが中に入ると中には上下左右の意識はなく、真っ暗な場所の中にぽつんと一人で立っていた。先ほど、彼が入ってきた扉も無くなり持っていた鍵も無くなっていた。
ここは、どこなんだろうかぁ
まっくらな暗闇であるが不安な気持ちはなく落ち着いていた。しばらくすると何も見えない真っ暗な中、青い光の粒子が現れ、徐々に人型の模様を指していった。
ヒビキは、それに近寄っていくとだんだんと自分よりも大きな女性の姿が現れていった。その姿は、この大陸をまとめる竜の神様、シューリンへと変わっていった。
「久しぶりじゃな」
「はい、シューリン様」
ヒビキは、困っていた時に一度だけ会っており彼女にスキルを付与してもらったことで旅を無事に進めることができたことで感謝していた。
彼は、彼女と目があうと軽く礼をすると、その様子に気づき彼女はにこやかな表情に変わった。
「おかげさまで、スズネを救うことができました」
「うむ、実際には救えていないのだが……
それは、おいおい話すとするのじゃ。
まずは、うむ……」
ヒビキは、彼女が話している最中に口を出した。
「でも、この部屋?空間?場所?は、なんなんですか?」
「それは、いや、それがもっともな質問じゃな。
だが、それを知るということは、
全てを知るということにつながるのじゃ?」
「すべて?」
「そうじゃ、君は、その覚悟があるのか、じゃ?」
「覚悟がどういうものなのか、判りませんが、
ここに来たいじょう何かしらの覚悟はもってます」
「うむ、悪くない返事じゃ。
想像を超えてないのじゃけどな」
シューリンが一人納得している中、この後ヒビキの想像を超える事実を身をもって知ることになるのだった。




