第52話 旅に出ることをつげてみよう
突発的なイベントがあったものの、
情報も手に入った。
そろそろ、呪いを解くために、
水上都市に向っても、いいかもしれない。
〈リイナ、ブラッシングしてる途中で悪いんだけど、
そろそろ、水上都市に向かわないか。
どのくらいかかるか、聞いてほしい〉
〈そうね、状況によっては、村で一泊もいいかもしれないし、
聞いてみるわ〉
まだ、リイナは、キャロさんをブラッシングしてた。
「シャルルさん、
今から、水上都市に向かうと、どのくらいかかります?」
急に質問がきて、うとうとしてた、
シャルルさんが驚いた。
「え、今からですか。
朝出発すると、途中一泊して、
昼ごろに到着ですから。
今なら、明日の夜前には、
到着できると思いますね。
ここで、一泊していってくださいな、キャロさんも
いますし。」
シャルルさんは、寂しげな表情を浮かべながら、
提案してきた。
〈どうする、一泊する?〉
リイナは、猫を気に入ってるせいか、
一泊に心が揺れているようだ。
〈まだ、昼前だし、
はやく体のありかを探しに、行きたいな〉
僕としては、猫も撫でれていないから、
猫と戯れる楽しさがわからない。
先に行くことを提案した。
〈ヒビキがそういうなら、そうしよっか〉
ほんとは行きたくなさそうだが、
提案にのってくれた。
「ありがたいお誘いなんですが、
急ぐ理由がありまして、
先に向かうことにします。
また、お願いします」
そういって、軽く頭を下げた。
「わかりました。短い間でしたが・・・
残念です。
向こうは、そろそろ、半年に一度の祭りの時期ですので、
にぎやかだと思いますから、
楽しんでください。
貿易船もきてると思いますから、
掘り出しものもあると思いますよ」
「そうなんですか、
楽しみです。」
目をらんらんと輝かせながら、
テーブルを立った。
腕に猫を抱えているが、
旅につれていく気だろうか。




