第51話 猫にブラッシングをかけてみよう
猫人にもどった、キャロさんは、
頭と顔にリンゴがついていた。
手には、今にも握り潰されそうとしている
カエルがおり、
目に見えて、怒ってるのが、判る。
「カエルめ。
後で、昼飯にくってやるにゃ!」
シャルルさんが、あわてて駆け寄る。
「キャロさん、
落ち着いてください。」
「すみません、うちのケロ吉が
ご迷惑をかけて。」
リイナは、全力で、頭を下げているが、
キャロさんの怒りは収まる様子はない。
よかった、あの切れっぷりをみたら、
僕が体にはいっていたらと思うと
ぞっとする。
不謹慎な考えしていると、シャルルさんが助け舟をだした。
「リイナさんも、謝っていますし、
ここは、許してあげてください。」
どうやら、先ほどの実験の挽回をするために、
リイナ寄りなのかもしれない。
「まずは、頭をあらって、
乾かして、ブラッシングをしてもらいましょう。」
ブラッシングの言葉を
強めにいっているところをみると、
これが、キラーワードなのかもしれない。
その証拠に、怒りが少し治まっているのか、
尻尾が、ふりふり動き出した。
「お風呂は、いやにゃ。
・
・
ブラッシングは。
・
いいかもしれないにゃ」
態度少し軟化したようだ。
「猫化していただいて、
汚れた分は、濡れ布巾でとりましょう。
後は、風で乾かして、
私のブラシを貸しますので、
ブラッシングしてください。
リイナさんのカエルさんがやったことですので、
お願いしますよ」
シャルルさんは、そういって、
台所に、タライと布巾を取りに行った。
キャロさんは、猫化し、
テーブルの上で、待機し、
隣にいるカエルをにらみつけてた。
ばたばたと、急いでシャルルさんが、
戻ってきて、汚れの取り方を教えてくれた。
結局大半を、シャルルさんがやったので、
リイナの出番は、この後かな。
威力が弱くなってる、
風が気持ちいいのか、
眼をつむって受けているキャロさんをみると、
嵐が過ぎ去ったのが、わかった。
シャルルさんが、自前のバックからブラシをとりだし、
リイナに手渡した。
この後、小一時間ほど、
頭以外の全身もブラッシングさせられてたが、
リイナも、キャロさんも嬉しそうだった。




