第507話 みんなに事情を話してみよう
僕は隣で眠っている女性たちの席に移るとみんなが起きてくるまで、飲み物を注文し飲みながら座っていた。しばらくするとリイナが起き始めた。
「ふぁぁあ~
よく眠ったわ」
「リイナ、おはよう」
眠たげな眼を擦りながら、辺りを見回すと
「あぁ、おはよう。
って、もうすぐ夕焼けになりそうね」
「だね、体、大丈夫?」
「うん、大丈夫。
って、思い出した。
なんで、あんな杖になっちゃうのよ」
「そ、それはね……」
僕は、これまでの旅のことを話し村で二人に作ったことも話した。
すべての話を聞いた後に呆れたような納得したような表情になると
「へぇ……
もっと、便利屋さんになったのね、ヒビキは」
「みんなに知れ渡って、やりすぎると、鍛冶屋さんに迷惑かけちゃうし」
「そのかわりお金持ちにもなれるのに、借金まみれでしょ、ヒビキは」
「それは、そうだけど」
「まぁいいわ。
そういえば、わたしは知らない間に、ここにいたみたいだけど……
何がおきたの?みんなここで寝てるけど……」
「それがね……」
彼女が現実から拒絶している間の話をして、さらにさっきまでの間を足して会話した。
彼女は話を聞くと自信満々にこちらに振りむいた。
「わたしが、本気出せば、そんなのちょちょいよ」
「そんなわけないよ。
だって、いくらダメージ与えても、傷一つつかないんだよ。
倒せないよ」
「そんなのさっきの彼がいってたように、おびき出しちゃえば、楽勝でしょ」
「もう、そんな簡単にいって……
頂上の魔王を置いていなくなるわけないじゃないか、もう」
僕らが話し声で、他の3人も目を覚ましたようだ。
「「「うぅ……」」」
「みんな、大丈夫?」
「ええ、大丈夫だよ」
「ああ、大丈夫だ」
「平気でありんす。
なんで、あちきは生きてるでありんすか?」
「まったく、あんたのせいで、みんな大変な目にあったのよ。
この厄病蝙蝠!」
「ほんに、みんなに迷惑をかけてすまないでありんす」
「なによ、もう。
本気でへこんだら、こっちが困っちゃうじゃない、もう」
「カリナが悪いわけじゃないし、なんか他に彼らに理由があったんだよ」
「そうで、ありんすかね。
あんまり思いつかいでありんす。
あちきは、魔王様ができるような塔の管理しかできないでありんす。
魔王さまなら、町の管理もできるでありんすが……」
「塔の管理って、何ができるの?」
「塔のダンジョンの迷路をかえたり、
魔物を増やしたり、減らしたりぐらいでありんす」
「あぁ、道理で。
だからセキさんがどうしても倒しておきたかったんだね」
「どういうことで、ヒビキ?」
「あぁ、それがね……」
僕は、リイナにした話を彼女にしてあげ、ついでにこの場で夕食を食べると、彼?彼らに向けてリベンジを誓い合った。




