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僕は、この出会いに感謝する!!  作者: 寿々樹ノ葵
第四部 解放戦線から、解放せよ
501/545

第501話 軍団と対峙してみよう

 アメリアは、雲に隠れた塔を見ながら、目の上に手をあてると、

「それにしても、あの塔はでかいな。

 町も広いし、思ったよりも遠いな」

「そうね、それにあの高さ!

 これの攻略には、時間がかかりそうだわ」

 リイナも、納得したのか眩しそうに塔を見ていた。

「でも、攻略なんて必要ないでしょ、

 カリナがいれば」

「そうでありんす。

 あちきが、さくっと頂上まで連れて行くでありんす」

 彼女は、喜々として先導し町を案内してくれながら、海のほうへと誘導してくれていった。それでも町の中だけでも、一刻程あるいても目的の場所に近づいているのか判らなかった。


「さぁ、こっちでありんす」

 彼女が指さした先には、塀が分かれており内部へと入れるようになっているようだった。その先では、続々と冒険者たちが中へとでは吸い込まれていった。


 あの様子ようだと、かなりの人気がある塔なんだろうな。


「すごい人気だね」

「そうね、

 ジルのダンジョンも人気だったけど、こっちのほうがすごいわね」

「ほーほっほ。

 そりゃそうでしょ。

 あちきの魔王様は、一番でありんすから」

「そんな魔王もわたしが討伐してあげるわ」

「もう、リイナ間もなく到着なんだから、

 こんなとこで、揉めないでよ」

 僕は、相手のカリナを見たが、先に行っている彼女の表情は普段の柔らかな感じから、冷たい無表情へと変わっていた。


 僕らも様子が変わった彼女の傍まで来ると、彼女の先には4人の男女が見構えていた。正面にいる50代の冒険者がリーダのようで、後ろの若い女性二人を従えていた。最後の一人は、更に若く僕と同年代のようだが、やる気がなさそうに欠伸をしながらこちらをちらりとみていた。


 一人の女性が年配の彼に話しかけていた。その声は、それほど離れていない僕らにも聞こえてきていた。

「リーダー、言ってた通りカミキ君ですね」

「そうだな。残念なことだ。

 あんなことがあったから、無理もないかもしれんが残念だ」

「ですよねぇ。

 内部でも心無い批判がありましたし……」

「あぁ。

 そのせいで……

 私たちがもっと批判の的になって代って上げれていたら……」


 3人の会話を遮るように若い子は、つまらなそうにつぶやいた。

「ふぁぁ~

 そんな昔話どうでもよくありません?

 そっちの魔王候補を捕獲しにきたんでしょ?」

「あぁ、そうだな。

 だが、カミキ君の妹も預かってるからな」

「どうせ、後数日の命でしょ、みんな死ぬんだから」

「そんな、見も蓋もないこといわないでよ。

 ヨシハラ君は、ホント、そういうとこあるよね」

「しかたないわよ、

 最近加入したばっかりだしね」

「もう、いいでしょ。

 戻りましょうよ。

 あんなのぱっぱっと倒しちゃって」

「だがなぁ、

 カミキ君に手を出すわけにはいかないな。

 話で解決できたらいいんだが……」


 彼らの声が最後まで大きめで会話していたせいで、僕たちは、全ての声が聞こえていた。もしかしたら、聞こえさせたかったのかもしれないが、心の中までは判らなかった。

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