第49話 動かなくなったら、蹴っ飛ばしてみよう
〈リイナ大丈夫?〉
リイナからの答えはなかった。
想定では、時間がたつにつれて、回復していくはずだが、
一向によくなる気配はなかった。
「回復(ヒー
あぶなく、また回復するとこだった」
どうやら、再度、ヒーリングをするところを、
思い留めたようだ。
やっていたら、死んでいたかもしれない。
シャルルさんのパニックが、ひどいな。
「そういえば、ダメージで回復のはずだから、
蹴ると回復するのかしら。
はあ、どうしよう。このままだと
死んじゃうのかしら
・
・
・
シューリン様、わたしにご加護を」
そういって、彼女は、リイナを全力で蹴とばした。
シャルルさんは、結果を見ることが怖かったのだろう、
目をつむったまま、蹴った後も開かなかった。
蹴られた威力がすごかったのか、
リイナは、勢いのまま、台所の方まで、
転がって行った。
僕は、急いで台所の方にかけよった。
〈リイナ、大丈夫?〉
〈あぁ、なんか悪い物でも食べたのかもしれないわね、
お腹がいたかったけど、もう、へっちゃらね〉
そういいながら、台所からでていくと、
歩くたびに、血色がよくなった。
〈シャルルさん、心配かけて、
ごめんなさい、もう大丈夫です〉
リイナ笑顔でそう言った。
シャルルさんは、泣きながら、
「よかった、殺したかと思った。
よかった。」
あんどの表情をうかべ、
眼には涙があった。
僕も、安堵の表情をし、
猫は、眠りのポジショニングをかえ、
カエルは、三個目のリンゴを苦しそうに食べてた。




