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僕は、この出会いに感謝する!!  作者: 寿々樹ノ葵
第四部 解放戦線から、解放せよ
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第488話 村で唯一の何かに行ってみよう

 ユキナは、暗がりの中、ザジさんの馬車が見えなくなるまで手を振っていた。

「ゆっちゃん、

 もういいでしょ。

 そろそろ、村にいくよ」

「うぅ、もう少しだけ」

「向こうも暗がりでみえないよ。

 さぁ、行こうよ、ユキナ」

「ヒビキがいうなら、しょうがないか」

 なんとも納得いかないといった表情のリイナは、返答を聞くと明かりのある村に向けて歩き出した。村は、今まで通った中で一番小さく100人ほども居ないくらいの小ささだった。

「しかし、小さいな。

 私の里ほどだな」

「あそこよりは、大きそうだけど……」

「む!

 そうかな」

「それはそうと、

 店もないしギルドっぽいところもないよ」

「そうね。

 あ、でも、あそこの一回りだけ大きな家があるわ。

 明かりもがついてるわね」

「そうだね。

 いってみようか。

 宿だといいな」

 僕の返答を聞くと先頭を歩いていたリイナとアメリアは、家に向けて歩き始めた。少しだけ大きな家だったが、近づくとその建物にはいくつもの看板が付いていた。

「すごいわね。

 宿にギルドに道具屋の看板がついてるわ。兼務ってことかしら」

「そうなんだ。

 それにしては、小さいね」

「あの位でいいんだろうな、

 このくらいの規模なら。

 里には、宿も店もないからな」


 やっぱり、里のほうが小さいんじゃないかな。


 建物へリイナが先に入ると小さな店の奥には、小さなカウンターがあり一人の女性が座っていた。

「いらっしゃい。

 ってか、なんか用?」

「ええ、ここの宿は泊まれるかしら」

「ああ、2階が空いてるってか、

 一部屋しかないし空いてるわ、どうぞ、奥に上がってって」

「そう、よかったわ。

 空いてて」

「いっつも、開いてるわ。

 使われたことなんて、今回が初めてだわ」

「そ、そうなんだ」

「そりゃ、そうよ

 客ってか、人がこないからね、こんな辺境」


 アメリアは限界なのか、宿の人に急に話しかけた。

「まあいい。

 たべれるところは、あるのか?」

「ないわね、この村じゃ。

 いいわ、3階で私が料理を作ってあげるわ。

 ちょっとたったら、上がってきて。

 さぁ、もう、今日は閉めるかな」

「いいのギルドしめて?」

「どうぜ、客が来ないしね」

 そう言って、玄関の扉に鍵を閉めると、2階への階段へと上がって行った。

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