第478話 少し話をしてみよう
ユキナと戯れながら、一階の泊まっている部屋の居間に到着すると、二人で仲良く隣掛けで腰を降ろした。直後、慌てて駆け寄ってきたアメリアとシルキィがきて、空いている椅子に座った。
「もう、急ぐ必要ないだろ」
「しょんなことないよ
おいかけっこ、たのしかったよ」
楽し気に笑うシルキィをみたアメリアは、呆れたような表情になるとすぐに一瞬ほほ笑むとテーブルに置いてあったお酒へと手を伸ばした。
「楽しかったね、ヒビキ」
「そうだね。
ユキナも飲む?」
「う~ん」
腕組してふくれっ面をしているユキナにお酒が注がれているグラスを手渡すと、
「しょうがないなぁ」
と一気に飲み干した。僕の後ろから、ゆっくりと扉が開きリイナが入ってきた。
「あら、もう、始めてるのね。
わたしも、貰おうかな」
「はいはい」
僕は、空いているグラスをリイナに手渡すと、お酒を注いだ。半分ほど注ぎ終わると、立ったまま腰に手をやり一気に飲み干した。
「なかなか、美味しいわね」
リイナは、グラスを傾け僕に再度注げといってるようだ。
「そんなことより、りっちゃんは、
遅かったわね」
「まぁ、たまにはいいんじゃない。
っておもっただけよ」
既に手酌で飲み始めていたリイナから逃げようとあとずさりしていた僕は、睨みつけられると苦笑いを浮かべその場から離れるしかなかった。
「さ、アメリア。
どうぞ」
「あぁ、ありがとう」
少し離れることに成功し、アメリアに近づいくことができた。その横にいたシルキィは、オレンジのジュースを飲んでいたが、僕に話しかけてきた。
「わたしぃがいなくなったあと、
なにしてたの?」
「あぁ。うん」
僕は、ユキナとアメリアが余計なことを口滑らせないように、融合部分をはしょり淡々と話をした。
「シルキィは、武器とか興味ないでしょ?」
「しょうでしゅねぇ。
母さんのがあるから、いらないでしぃ」
そういうと小さなポシェットから、小さめのキラキラ光る棒を取り出した。
「といっても、
それを使わずに、唱えられるがな」
「だよねー
飛んでるとき使ってなかったし。
おじいさん魔王も使ってなかったよね」
「ここ一番で、使うでしぃ」
「今日以上の一番なんてあるのかしら」
リイナは、ぼそっと呟くとなみなみと注いであったグラスを一気に飲み干した。
「そうそう。
私は、ヒビキとりっちゃんの冒険を聞きたいな。
私達が別れた後のこと」
「「私も」」
僕とリイナ以外が興味深々で、僕らに迫ったきたため、2人と別れた後のリイナ家に向かう船の所から話始め、リイナと合流するころになると、シルキィはウトウトし始めていた。
「……
で、彼を僕がやっつけて、めでたしめでたし
って、ところかな」
「へぇ、ヒビキがな」
「だよね、全然、みえないよ」
「まぁ、今後のリイナと二人旅で足を引っ張らないようにしたかったからさ」
「ふぇっ」
リイナが顔を真っ赤にしており、二人の冷たい視線が気になったがどうしてなのか、よく分からなかった。




