第477話 着替えをこっそりみてみよう
僕は、ゆっくり浸かりながら星空を見ていた。砂漠から来る風は冷たく、上半身だけ湯舟からあげると火照った体を直ぐに冷やしていった。幾度か熱い寒いを繰り返すとまもなく洗い終わった二人が戻ってきた。
「もう!シルキィ。あばれすぎだ」
「だって、こしょばゆいんだもん」
二人は口ではいがみ合いながらも楽し気にこちらまで来ると、ゆっくりとお湯につま先を入れ始めた。
「あついね」
「だな、少し我慢しろ」
そんな中、のぼせ始めたユキナとリイナは、湯舟からあがり、そとの寝られる木の椅子で横になっていた。そんな様子を見るわけにもいかず、涙を流しながら、遠い星空を見るしかなった。
「ヒビキ、なに見てるんだ
そこに何かあるのか?」
「そうしゃの?」
「綺麗な星空があるだけだよ」
「楽しいのか?
泣くぐらい」
「まぁ、泣くぐらい綺麗だよ」
二人はきょとんとしながら、僕の両脇に来ると不思議がっていた。だが、シルキィやアメリアには熱すぎたのか直ぐに湯舟から上がり寒くなるとまた入りを繰り返し、落ち着きがなかった。
そんな僕も、そろそろ体が限界に近づき、そろそろお風呂場から出ようかと思い始めた。リイナもユキナも寒くなったのか、また僕の近くに陣取った。
「ふぅ、だいぶ冷えたわね」
「そうだね、りっちゃん」
せっかく二人が来てくれたが、僕はのぼせる手前だったため、あがるかのぼせるか判断に迷った。だが、周りに迷惑をかけるわけにもいかないというか、何をされるかわかったもんじゃないため、上がることにした。
「みんな、先に上がるね」
「じゃ、私もそうするかな」
「わたしぃも~」
リイナとユキナは、冷えた体を再び温めるため、もう少しここにいるようで、3人で更衣室へと戻ることにした。
僕はゆっくりとふたりと一緒に着替えると、3人で仲良く部屋に戻ることにした。
ゆっくりだったためか、服を着替え終わる頃には、二人の美少女もやってきた。
「待ってよぉ」
「そうよ、待ってよ」
「うん、待ってるよ」
僕は、二人の生着替えを後ろからちらりちらりと眺めることができて、顔のほころびを止めることができなかった。
「みすぎだぞ、
ヒビキ」
「そうしゃよ」
「そうかなぁ
そんなことはないと思うよ、うん♪」
僕は二人の苦情を軽く聞き流し、顔は二人のほうを向いてたからか、時折視線が痛かった。
「さぁ、着替え終わったわ」
「戻ろうよ」
ユキナは全く気にしないようで、僕と腕組をすると全員よりも早く更衣室を出ることになった。
「あー、ゆっちゃん、
おいてかないでよ」
「そうだぞ、
せっかく待ってたのに」
3人が慌てて追いかけてきたが、ユキナは追いつかれまいとして僕を強引に引っ張ると一階への階段へと誘導していった。
「さ、ヒビキ。
二人で愛の逃避行だぁ~」
「こら、まて~」
リイナが、慌てて追いかけてきたが、狭い階段では、僕の背中しか見えなさそうだった。




