第476話 みんなでお風呂にはいってみよう
僕らは静かに部屋をでると近くにある階段から3階へ登った。
「思ったより、広いわね」
「お客も私たち以外いないな」
「話したら、ここにいた人たちをどかしてくれたんだよ」
僕らは、ユキナの発言に絶句したが、それ以上突っ込みをいれるのを辞めることにし好意に甘える事にした。
二十人以上は、使える更衣室でさくっと服を脱ぐと誰よりも早く洗い場に向かった。
そういえばさっきは、水を掛けられたっけ。
体をさらっと洗い、大浴槽に入ると壁もなく真っ暗な砂漠から冷たい風が入ってきていた。僕は寒くなると熱いお風呂に肩まで漬かると足を延ばしてほほを通る風が気持ちよかった。
「何、たそがれてんの?」
リイナがやってくると、少し離れて隣に座った。それでも、横に座らせないようになのか、人ひとりは隣にはいれない距離だった。直ぐにユキナが慌ててやってくると、反対側に座り肌が触れるように浸かった。
「ふぅ、
ヒビキの隣、ゲット!」
「やられたな」
ほんの少し遅れたアメリアはゆっくりとやってくるとユキナの隣に縁に座り足だけ浸していた。ぽっこりとしていたお腹はもう消化したのか、いつも通りのプロポーションへと戻っていた。
「ふぅ、風が気持ちいいな」
「寒くない?」
「私は、厚いほうが苦手だからな
浸かり続けるよりは、いいな」
風に髪がなびかれ、絵になるようなエルフに見入っていると、左側のリイナも肌をくっつけてきた。
「アメリアを見すぎよ、もう!
わたしだって、血族なんだから、そんなに変わらないわよ」
上から順に、顔を見て整っている顔立ちをみて、確かにと思いながら平坦に近い胸元を見ようとするとそのまま湯舟に沈められた。
「見る前から、あからさまに、残念そうな顔をするんじゃないわよ」
「あばばばば」
「はははは」
アメリアが笑っている中、リイナが浴槽からたつとようやく顔を上げることができた。
「ふん!
そろそろ上がろうかしら」
リイナがご立腹の中、更衣室ががらっと開くと、彼女以上の凹凸のない緑髪の女の娘が入ってきた。
「みなしゃん、ひどいーー」
彼女は、リイナの胸に突っ込むと、二人とも後ろにひっくり返った。
湯舟からリイナが顔を出すと、シルキィを持ち上げ近くに降ろすと文句を言いだした。
「もう、シルキィ。
無茶しすぎだよ」
「そうだ、シルキィ。
ちゃんと体洗ってから、入れ」
「そういうことじゃないわ、アメリア」
僕も同じことを思ったが、アメリアはシルキィを片手で持ち上げると洗い場に連れて行った。
ぼんの少しだけだが、ほんとにシルキィは同年代なんだろうか。
小さな子供にしか思えなかった。




