第471話 やっぱり部屋を変えて貰おう
シルキィの隣に座るとぴったりと腕に絡みつき頭をつけてきた。どうやら、自分で料理を取るつもりはなさそうだ。
給仕の一人のルルさんが、近くまでやってくると、丁寧に挨拶をしてくれた。
「今から、食事がやってきますので、もう少々お待ちください。
こちらが食前酒のエールです」
全員に小さなグラスに注がれたエールが全員に配られたところでその場で乾杯した。といっても、席が離れているため、グラスを鳴らすことはしなかった。小さいグラスにはいったエールを一気に飲み干した。
「よく冷えててうまいな」
「だね。
風呂上がりにちょうどいいね」
「おかわりが欲しいわ」
3人が各々のペースで飲んでいる中、飲みなれていないのかシルキィは一口飲むと真っ赤になっていた。
「うひぃ、にがてぇ」
「そっか、じゃ、ジュースをお願いするね」
僕は給仕係を呼ぶと、
「なんか、さっぱりしたジュースありますか?」
「はい、何か持ってきますね。
ただいまお持ちします」
部屋をでて行くと直ぐに果物を持ってやってきた。それは、パイナップルのジュースのようで、飲み物のグラスの代わりに中身をくり貫かれ中には、白濁した飲み物と小さな果物が入っていた。
「ヒビキしゃん、これ、おいしぃよぉ」
「よかったね。
まだ、他にも、いくつかあるみたいだよ」
「これ飲んだら、頼んでほしぃな♪」
「はいはい」
僕らが仲良く楽し気に話していると、3人がジトッとした目で見てきた。
だめだ、これ。
そのうち、3人が我慢できずに暴れそうだな。
僕は一回軽いため息をつくとルルさんにお願いした。
「すみません、もう少し小ぶりな部屋か、テーブルを貰えますか?
ここだと、話も遠いですし……」
「判りました。
気づきませんで申し訳ありません。
急ぎ、セッティングしてきます」
給仕係のルルさんが、慌てた様子で部屋を出ていくと、上の階で物を動かす音が聞こえ始めた。
3人はようやく納得したのか、じっととした目を辞めて顔に満足げな表情を浮かべていた。
「最初から、そうすればよかったね」
「そうだな。
いいアイディアだ」
アメリアが、おもむろに立ち上がると、シルキィとは逆のほうに座り僕の肩に頭を預けた。
「あー!!
アメリア、ずっこ!」
「して、やられたわ。
あまりにも自然に移動するから、魅入っちゃったわ」
「まぁ、直ぐに移動できる準備できそうだし。
砂風呂でも、二人は離れたとこだったんだから、
少しは譲ってあげなよ」
「譲るのはいいのよ。
鼻の下を伸ばしてるヒビキが許せないだけ」
そういわれながらも、僕の視線は、アメリアの谷間から視線を変えることができなかった。




