第467話 アメリアの弓を作ってみよう
僕は、冷汗をかきながら声のほうに振り向くと悪魔がにやりと笑っていた。
「はぁ~、もう、
エルフの杖なら先に言ってくださいよ!
知ってたんなら」
「うん、まぁ、それは、どうでもいい。
あ、でも、あれ、母君が使ってたやつだけどな」
「うひぃ。
思い出のしなですか。
で、僕はどうすれば許して貰えるんです……か?」
悪魔はにたりと笑って、僕に大小の弓を渡した。
「私のも融合してくれ
そして、私の奴隷になるんだ!」
僕は、冷たい目をすると冷静に対処することにした。
「はいはい
じゃ、融合だけしますね。
あ、小さいほうで作りますからね」
「うぅ、すまん
悪乗りしすぎた。
頼む、ね♪」
美女から可愛らしく微笑んで、お願いされるとどうしても許さずにはいられなかった。
「もう、最初から、素直にお願いすればいいのに。
でも!
今回限りですよ
いいですね?」
「あぁ、判った
それに、少し弓を大きくしてくれると嬉しい。
こぶし分くらい♪」
「ええ、判りました」
僕は、右手で大きい弓を手に取り大きさを確認すると、出来上がりのイメージを固めた。
「融合!」
横に持った大きな弓に、小さな弓を近づけていくと、接触したところから光り輝き、一回り大きな弓が出来上がった。
「はい、どうぞ」
「おぉぉ!!
鑑定!!!!
ヒャッハー!!ヤッター!」
弓を掲げて飛び跳ねりながら、フロア中を飛び回っていると、二階の階段から聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「どうかしたの?」
「どうかしましたか?」
リイナを先頭に店員のハンナさんが、同時に3階へと上がってきたため、直ぐにアメリアを窘めた。
リイナに教えることができなくなったなぁ
後で、折を見てはなさないといけないよなぁ、まいったなぁ
「な、なんでもないよ」
僕は、ポーカーフェイスだったが、二人は笑顔を隠し切れず顔が引きつっていた。
「なんか、怪しいわね」
「なんでもないよ、
で、リイナは、いいのあったの?」
「う~ん、やっぱりいまいちね。
ここじゃ、諦めるわ」
「そうですか、
残念です」
「そっか、それは、残念だね。
ハンナさん、この町で一番高い品物があると思われるところってどこですか?」
「ホントは、教えたくないんですけど……
あそこですね。端の大通りの小さな魔法アイテム屋です。
あそこは、隣の大陸から一番最初に見える店ですから、
小さいけど、色々なものがあると評判です」
「ありがとう。
リイナ、行ってみる?」
「う~ん、今は止めとくわ。
そろそろ、日が暮れそうだし、先に宿を決めないとね」
「うん、そうだね。
じゃ、ハンナさん、
いろいろと貰って、ありがとうございました」
「いえいえ、あんなものでよければ」
僕らは、素敵な武器屋をでていくと、ピラミッドの方に向かって歩き始めた。




