第464話 呪いの発生する噂をきいてみよう
ユキナの叫び声の直後に、呆れたリイナの声が聞こえてきた。
「ひどい言いようね、ゆっちゃん。
ありえないでしょ、こんな気色悪い武器。
もつのも嫌だわ」
僕はリイナの話の内容で安心して3階に上がると、リイナはおどろおどろしい杖を二つの指でつまんで顔をしかめていた。
ユキナは、僕を見つけると不可思議な顔で近づいてきた。
「ほら!
ほら、ヒビキ!
見てよ、リィちゃんが、呪いの品見てまともなんだよ!
絶対おかしくなったって!」
「そう?
絶対、こんなのが好きだなんていう人いないよね?
ね、ヒビキ♪」
リイナは、持っていた杖を汚そうなものを置くように、ゆっくりと棚に戻していった。
「だね、リイナ」
「えー、だって!だって!」
僕は、それでも信じられないユキナを見て面白くなってきた。
「ははは。
それはね。
リイナがベラセモタ大陸を救った時に、
訳あって呪い好きのスキルが無くなったんだよ」
「なに、それ、もう、ほんと、わけわかめ。
……うぅ~まぁ。いっか。
あとで、冒険を聞くことにするよ!
でも、まともになったんだから。
きっと、いいことだよ」
「そうだよ、そうだよ!
気にしたら負けだよ」
店員のハンナさんは、きょとんとしていたが、とりあえず納得した彼女をみて今がいいタイミングかと悟ったようで、口を開いた。
「私は、よく分からないんですが、
取り合えず問題ないみたいですね
ここは、二階の売れ残りでいっぱいです。
まぁ、捨てるのはもったいないって理由で、置いてあるってとこですね」
「もったいないですね。
強そうなものもありそうなのに」
僕は、あたりをみわして歩きながら、目の前にあった子供が使うくらいの小さな弓をもった。
「おー、流石、ヒビキだな。
私が子供のころ、使ったやつに似ているな
っていうか、私が使ってたやつだ」
「流れ着いて、ここにあるんだね」
「で、なんで呪われてるの?
あからさまに、持ち手がぬるぬるしてるよ」
「強いスキルをもつアイテムには、使われないと稀に呪いが発生するという言い伝えはあるな」
「へぇ~、そうなんだ」
「あ、それ。持って行って貰っていいですよ。
もう10年以上置きっぱなしですし、今後も売れませんしね」
「そうか。
それは、ありがたいな。
遠慮せずにいただく」
アメリアは、僕から弓を受け取ると懐かしそうにバックにしまった。
「いえいえ。
持ち主に還ったほうが、武器も喜ぶと思いますよ。
で、こちらが、目的の両手杖です」
ハンナさんが指した方向には、斜めがけされたでっかい石柱の隣に、一本の木製に陶器で作られたっぽい女神像が頭についていた。
アメリアの小さな声が聞こえたが、リイナの声で打ち消された。
「あれは……」
「アメリアだけ、ずっこい。
ここは、気持ち悪いから、もう一回、2階に行くわよ」
リイナは、ユキナにウィンクするとアメリアを腕を引っ張って、階段を降りていった




