第463話 呪いの品がどこにあるか聞いてみる
僕は、かまってくれない3人をおいて、自分より年上の店員ハンナに話しかけた。
「でも、どうして信じてくれたの?」
「別大陸からきた冒険者が、そんな突飛な話をするほうが無理かなって思って。
まぁ、お客さんの目が嘘を言ってるようにみえなかったからってのがほんとかな」
「そっか。
信じてくれてありがと」
「そりゃ、客商売ですからね、
見る目はあるっておもってますよ」
「ははは」
他の二人の姿がこのフロアに見えないので、さらに上の階に行ったのだろう。
なんだかんだ言って、買い物が好きなんだな。
二人で仲良くしていると、ユキナがやってきた。
「また、別の娘くどいて!
私がいながらもう」
「はははっ」
僕は、笑ってごまかしたつもりだが、ごまかし切れているか心配だった。
そんな僕をハンナさんはクスリと笑うと、
「ふふ。
じゃ、どんな武器がいいです?
さっきの剣もわるくなかったでしょ?」
「たしかにそうですね。
目的は、両手杖ですね、彼女の武器を見に来たんです」
「ひびきぃ~♪」
彼女がさっきのお怒りから喜んだ顔に変わり、飛びつきながら抱きついてきた。
「仲がいいんですね。
ですが、残念ながら両手杖は需要が少なくて在庫もあんまりないんですよね
二つか三つくらいしかないと思いますね」
すべて出してもらったが、回復エリア範囲(小)やら回復量アップ(小)など、どれもこれだっていうものはなさそうだった。
「どう?ユキナ」
「う~ん、普段使ってるほうがいいみたい」
「それは、残念ですね
で、ヒビキさんは、何を使ってるんですか?」
「僕は、片手剣と片手杖ですが、バンブーオの鍛冶屋で作ってもらったんです」
「え!?
もしかして、ドワーフのゲリィさんですか?」
「ええ。
知ってるんですか?」
「よく、3Fの呪いコーナーに買いに来てます」
「え、呪いの武器があるの!
ヒビキィ!!
りっちゃんが、呪われてるって、絶対!!!
心配だよっ!」
ユキナは、慌てて3階へと走って行った。
「なんか、あるんですか?」
「ええ、呪い品に眼がない娘がいるんですって、いうか
いたがただしいんですが……
追いかけましょう」
「はい」
僕はゆっくり、階段を上がって行くと、ユキナの叫び声が聞こえてきた。
「りっちゃんが、こわれたーーー
おかしくなってるーーー」
僕は、おかしいと思いながら急いで残りの階段を駆け登った。




