第459話 金色の発言をきいてみよう
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大きくなってくる町を薄く開いた目でみていると、一人の女性を先頭にたくさんの人が整列して並んでいた。
しばらくすると、風はゆっくりと止み、地面へと僕たちをおろした。
「でむかえ、ごくろうじゃぞ」
誰よりも前にいるシルバ様によく似た金髪の女性は口を開いた。
「は、魔王様、シルキィ様、
いらっしゃいませ。
この度は、どのような御用でしょうか?」
「そうじゃな。
この者らを、ペソボア大陸へと行れてってもらいたいのじゃぞ」
内容を聞くと、一礼し、僕たちを誘導し始めた。
「は、仰せのままに。
では、皆様方、こちらで休憩できるように、準備をしております。
また、少々、お話をお聞きしたい事項がございますので、
少しお付き合いをしていただけませんでしょうか?」
「うむ、しょうがないじゃぞ。
ヒビキくんたちも、付き合ってほしいじゃぞ」
一人のシスターだけ顔をゆがませたが、それ以外の人物は特に気にしてなかった。
「うぅ、一刻も早く向かいたいのに」
「まぁ、ユキナ少しの間だから」
「そうよ、ゆっちゃん」
金髪の女性は、笑顔で振り向くと有無を言わせぬ口調で話しかけてきた。
「こちらも、両村のギルドで、お二人方が告発していただいたおかげで、
内部ではバタバタしております」
「「す、すみません」」
僕とリイナは、脂汗を描きながら、仲良く頷くと彼女に付いて行くしかなかった。
「こちらです。
今は、ペソボア大陸に向けての馬車は運航しておりませんので、明朝には出発できるよう
準備いたしますので、そのおつもりでいてください。
申し訳ないですが、今宵は、この町でおくつろぎください」
やんわりとした会釈の後、金髪の女性に付いて行くと、とても大きな建物が見えてきた。
「皆さま、こちらです」
大きな扉を別の職員が開き、人で溢れる姿を想像していたが、た大ホールには、数人の冒険者しかいなく閑散としていた。
その中を、奥に進み左側の扉で遮られた廊下を進むと、20人は入れそうな大部屋に連れて行かれた。
僕やリイナ、ユキナとアメリア、そしてホイ魔王とシルキィの6人は、開いてる席に適当に座ると、対面には金髪の女性と脇に4人の女性が並び、後は部屋から出ていった。
ギルド関係者は、座らず、僕らに向けて感謝を述べた。
「この度は、ヒビキ様御一行、リイナ様御一行、シルキィ様とアメリア様にて、
大陸中の変異体の魔物を討伐していただき、
平和を取り戻してもらい……
「「「「「ありがとうございました」」」」」
ギルド職員が深々と頭を下げると、僕ら6人は慌てて立ち上がり、顔を見合わせると数人がユキナを見つめて後を任せることにした。ユキナは若干顔をしかめたが、諦めて部屋に響く声が聞こえてきた。
「暖かいお礼のお言葉、ありがとうございます。
関係者一同を代表し、嬉しく思っております。
さぁ、頭をあげてください」
ユキナの一言が終わると、ギルド職員は微笑みを浮かべ座り始めた。
ぼくは、正面の人間が座るのを確認して、小さな声で、ユキナにお礼を言った。
「あ、ありがと、ユキナ」
「いいよ、私は、活躍してないし、ね♪」
僕ら全員が座るのを待って、ギルド長は、肩の荷が落ちたのか、先ほどとは打って変わった落ち着いた声になった。
「さ、かたっ苦しいのはここまでさね。
こっからは、お互い、リラックスしてもらっていいさね」
「そうしゃよ、こんしゃん。
普段としゃべりが違うからびっくりしたよぉ」
「ははは、これでも、この大陸をまとめるギルドマスターだからね。
少しは恰好つけないとね」
「似合わないしゃよ」
「そうかね?
他のギルドマスターには、受けがいいんだがねぇ……
まだ、名乗ってなかったさね、
私が、コンコンだ。金色のコンで通ってる。
この大陸で困ってことがあったら、なんでも相談してくればいいさ」
僕は、正面に立つ金色の髪をもつ女性が、シルバさんの双子の姉で、僕が追いやったギルドマスターの連れであろうと絶望していた。




