第457話 ジル魔王の真実を聞いてみよう
「そういえば、君たちがジルを討伐したんじゃったな」
「はい、
……
すみません」
「別に気にせんでよいぞ。
魔王は討伐されるために生きてるしじゃぞ」
「そうなんですか……」
「そうしゃんだよぉ」
シルキィは、特に悲しげもせず、僕の背中に飛びのると頭に手を置いた。
「シルキィの親も討伐されたんですよね」
「そうじゃぞ。
ジルをいさめに行って貰ったんじゃぞ」
「え、いさめに?」
アメリアは、姿勢を変えるとくっついている頬を変えてホイ魔王をみだした。
「ジルが男性冒険者を大陸にいれさせなくしてから、ずいぶん経ったからじゃぞ。
そろそろいいのじゃないかと、話しに行って貰ったのじゃぞ」
「でも、それってここの大陸が、ジルの大陸に襲ったからでしょ」
リイナも、姿勢を変えてくっついている頬を変えてホイ魔王をみだした。途中僕と視線が会うと嬉しそうな笑顔が見えた。
「それは、嘘じゃぞ。
来てみてわかったじゃろう。
村や町で独立しているから、攻め入ることなんてできないのじゃぞ」
「でも、そのせいでエルフの王国が崩壊したことになってるよ」
ユキナが姿勢を変えなかったことで、僕の胸に向けて話していた。
「それは、違うな。
エルフの王国は、私達が居なくなって自然に消滅したんだ」
「さっきのダンジョンの経緯からも判るように、ジルからの話は嘘があるじゃぞ」
「ひどい魔王ですね」
「まぁ、そういわんじゃな。
ジーンが呪われて救うため、わしの所に修行しに来るぐらいだったのじゃぞ」
「来る前にアメリアから聞いた話じゃ、わざと呪わせたって?」
「そう私もきいたんだ、ジーンに」
「実際は、ジーンの旦那のジェシアじゃぞ。
だが、それも、ジルが教えたからじゃぞ」
「なんで、そんなことをしたんですか?
意味が判らないですよ」
「だな。
私の父親から、魔王を奪いたかっただけじゃないのか」
「それも、、間違いじゃぞ。
あの大陸では、ジル以外で魔王のなった者はいないんじゃぞ」
「でも、そのために、私の父親は討伐されたって!」
「うむ、ジルの兄は、魔王となった妹を心配してじゃな。
影武者を提案したのじゃぞ」
「じゃ、そのために」
「そうじゃぞ。
ジルも本当に襲われると思ってなくてな、
襲われたとき、慌てて助けに向かったのじゃが、間に合わなっかったのじゃぞ」
「でも、私に呪いのアイテムを渡して、王宮を混乱にさせた」
「それは……
意図したものじゃ、なかったのじゃぞ。
幸運のスキルが付いていたじゃろ、めいっこの二人に幸せになってほしいと送ったのじゃぞ」
「だから、解呪できるようにホイ魔王のとこにきたんですね」
「そうじゃぞ。
で、本題じゃな。
その後に、シルキィを向かった際に冒険者達に襲われてじゃ、
その一人が、おぬしの隣にいるその魔法使いの父親じゃ」
「へ?」
驚愕している全員の中、誰よりも驚いているリイナの腕は、小刻みに震えていた。




