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僕は、この出会いに感謝する!!  作者: 寿々樹ノ葵
第三部 巨獣討伐
452/545

第452話 間話 乙女3人旅 4日目 ~月は綺麗ですねっていわれたら?

 後のことは、副ギルドマスターに任せて、リイナ達は、自室の3階へと帰っていった。女将は、娘と共に迎えるため最後の準備を始めるため、3人より先に戻っていた。


 副ギルドマスターは、入り口に戻ってギルド職員を数人連れてふろ場に戻りながらもう一人の副ギルドマスターに、経緯を説明しギルドマスターを預けた。副ギルドマスタに、要注意人物のリイナ一行の相手をすると告げると、死なないでねと悲愴な表情で心配させられた時は、これから美味しいものがいただけると知っていた彼女は、直視することができなかった。


 三階の部屋では、備え付けの6人掛けのテーブルでは、料理が乗り切らなかったため、急遽もう一つの4人掛けのテーブルをくっつけたが、それでも乗り切たなかった。お酒は、酒場から、バーテンダーと共にカウンターと大量の種類のお酒用意し、一つの客間を潰して、準備万端だった。

 そこに、ゆっくりと三人が戻ってきた。

「おかえりなさいませ」

「「さっき、ぶり~」」

 3人が挨拶をしておくに行くと、バーテンダーと目が合った。

「どうぞ、お好きなお酒をおっしゃってください。

 こちらで準備しますので」

「いいわ、きにしないで。

 勝手にこっちで、もってくから。

 それより、みんなで、たべましょう。

 多いほうが楽しいし、ね♪」

「そうですよ、

 リイナ姉もそういってますから♪」

 女将もバーテンダーも、仕事を理由に断っていたが、3人が納得してくれないことから、諦めて席に座ることにした。と、同時に私服に着替えた副ギルドマスターが、うきうきでやってきて、辺りを見回し開いている席に座った。

 二人とも、まだ仕事をする気だったが、娘のビビも副ギルドマスターも、仕事のことなど忘れて楽しもうとしていることで、お互いに目配せすると自分たちも楽しむことにきめたのだった。

 副ギルドマスターは、これからの面倒ごとを考えると夜も眠れなくなるので、飲んで忘れるしかなかった。


 女将のアリサは、助けてくれた副ギルドマスターに声を掛けた。

「わたしは、アリサ。こっちが娘のビビ。

 お名前は?」

「そうそう、気になってたのよ。

 ぜったい、モモやムラサキちゃんたちと関係あるわよね」

「モモもムラサキも、従妹よ。

 そして、私は、ソララ。

 双子の姉のチャチャがバンプーオの村で副ギルドマスターをしてます」

「「へぇー」」

 この後、リイナはモモとの関連性を話しながら、これまでの冒険譚を語っていた。一刻ほど語ると全員の緊張が解け、各々が自由に部屋を楽しみ始めた。

 お酒があるカウンターでは、アドアとアンナがどのお酒を飲もうか立ったまま味見をしていた。そんな中、リイナの話でたびたび出てくるヒビキに、他の女性たちが興味深々でこのあとこっそりとファンクラブができるのであった。


 この後も、リイナに対して4人の老若女がヒビキのことを質問攻めにしていると、飽きてきたリイナは、窓をみて月ができているのが見えた。窓に近寄り、月をみていたら、新しい露天風呂がみえお湯で満たされるのが判るとお風呂にはいらない?と全員に提案した。


 そのとき、アンナとアドアは、昼間の戦闘の疲れからかなりのお酒がはいったことで少しソファーで横になると眠りにはいっていた。少し声を掛けたが、口を開けたまま起きる気配がなかった。


 4人は起こすのをあきらめると、両手に自分の好きなお酒を持って露天風呂に向かっていた。

「ねぇ、ママ、

 お風呂でお酒なんていいの?」

「いいわよ。

 むしろ、これからは、飲めるように置いとこうかしら」

「いいわねぇ、運ばなくていいのわ、

 楽だわ♪」

「ほら~」

 リイナは、体にさっとお湯をかけると、新しくできた広々とした露天に入り足を広げて縁に寄りかかった。空には、満月ではないが、綺麗な月が顔を出していた。

 隣に座ったソララが、先にいたリイナに話しかけた。

「リイナさん、月がでてますね」

「月が綺麗ね」

「やだ、もう。

 私を口説くんですか?」

 きょとんとしているリイナに、愛の告白の話を告げると、温泉で赤くなったのか、ヒビキに告げられると想像して赤くなったのか、うつむいて頬を赤くしていた。


 女将と娘の二人が体を洗い終わってやってくると、リイナも落ち着きを取り戻しつつあった。

「リイナさんも、乙女なんですね。

 そんな迷信を信じるなんて」

「え、迷信なの?」

「ねぇ~

 そんなの信じてる人いないわよ」

「そうね」

「そんなことないわ!

 私の姉は、信じてたもの!!」

「ふふ、ヒビキに言われたら、どっちでとれば……

 ふふふ」

「好きなほうでとればいいんですよ♪」

 リイナ達が雰囲気にのまれながら一刻が過ぎると、持ってきた飲み物はなくなり、夜風で涼んだところで、部屋に戻ってみんなで眠ることになった。


 親子は自分の部屋に戻ったが、二人は、使われていないところを使わせてもらった。ソファーで眠っていた二人をキングベットに優しく横たわらせ。リイナはもう一つのキングベッドで横になった。何か忘れている気がしたが、思い出せないまま深い眠りについていった。

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