第441話 間話 乙女3人旅 2~3日目 ~元凶は、ほんとに町の中にいるの?
リイナとアンナは、ゴブ八と別れてアドアのいる酒場に向かっていった。店に入ると中は、アドアコールで大絶叫している最中だった。アドアが二人に気づき、呼び寄せリイナを紹介すると直ぐにリイナコールに変わり、さっき以上の声援が拡がった。
「これは、なんなの?
アドア何したのよ」
「ちょっと、話をしただけだよ。
ヒビキさんの話もしたんだけど、もっと、もりあがっちゃった」
「これ、私達無事にかえれるの?」
熱いコールのなか、なんとか全員を静かにさせ、探している冒険者の情報を募った。流石に100人を超えた人間がいるため、幾人かは、見かけており少ないながらも情報が聴こえてきた。
だが、そのどれもが、陽が落ちる前の情報で、最新の情報とはいえなかった。ギルドマスターは、リイナの話から察して協力すると高らかに周りに宣言すると、今後の情報は、ギルドに集まるようにしてくれた。
二人が事件の犯人であることは、伝えないことにし、明日の朝に再びギルドへまとまった話を聞きにいくと約束して、3人は、宿にむかって歩き始めた。数人の若者が、3人を追いかけてやってきたが、アドアが一言二言告げると、真っ青になり蜘蛛の子を散らすように逃げていった。
「今度は、何をはなしたの?」
「ふふ、
特に、リイナ姉がこまってる
感じの話だよ」
「アドアのことだから、リイナ姉さんが、魔法で丸焼けにするぞ
くらいのこと言ったんでしょ」
「はははぁ。
そんな……」
リイナは冷たい目で、アドアをみて、確実に近い文言をいったことを確信した。だが、とりあえずいなくなったのを確認できたので、良しとすることにした。この後、宿に付き、遅い戻りとなったことで、外にある露天風呂の入浴は止められ、お風呂に入れないことが判ると、怒りの矛先がなくお腹いっぱいまで弁当を食べると、ふて寝するしかなかった。
朝露天風呂に入ろうと、誰よりも早く起きたのだが、露天風呂に続く道は、閉ざされており、入ることはできなかった。大きなため息とともに帰ってくると、二人から抜け駆けしたことに対する非難が聞こえたが、はいれなかったことを伝えると、三人揃って悔しがった。
「ちょっと、わたしとアドアで、ギルドに二人の男女の冒険者の情報がはいってこないか聞いてくるから、ゴブ八にご飯を渡してきて」
「うん、わかった。
おわったら、わたしもギルドに向かうね」
「じゃ、そうしよっか。
ギルドで朝ご飯にするか、決めようかな」
三人は、宿を引き払い別々の方向に向かって歩いて行った。アンナは、いつも通り誰もついてこないことを確認すると、町を少し離れ森の中でゴブ八に会い、お弁当を渡した。出発するかどうかが決まっていなかったため、ゲートと森が見える位置で待ってもらうことにして、リイナ達の元へ向かった。
リイナ達は、何かいい情報がはいっているか聞いたが、昨日と変わらない内容しかなく、行方がまるでつかめなかった。一点有益な情報として、ヒビキたちがイソラディで大活躍をしたって話だけだった。他のギルド職員も英雄として紹介された伝説の人物の活躍を他から聞くと、同じように喜び何かの役にたてないか町民に聞きに飛び出していっていた。




