第44話 キャロさんを撫でてみよう
「シャルルさん、
お願いがあるんでけど、
この杖、呪われてるみたいで、
解呪をお願いできないかしら」
キャロさんのほほ袋を撫でながら、
リイナが聞いている。
それにしても、なすがままだな、キャロさん。
ごろごろ言っている。
「いいわよ。
杖をだしてみて」
シャルルさんは、切終わったリンゴを
皿の上にさしだし、ナイフを、机に置いた。
リイナは、バックから、
杖をとりだすと、シャルルさんに手渡した。
キャロさんは、急になでられなくなったからなのか、
リイナの足にすりすりしている。
かわいいな、キャロさん。
「鑑定」
シャルルさんは、
杖に向かって、魔法を唱えた。
「そうね、何かしらのスキルがあるから、
これを装備すると、
呪われてる可能性はあるわね。
私では、呪われてるかどうかまでは、
鑑定では、判断できなったわ。
ここよりも大きな、水上都市か、聖都に行けば、
鑑定に優れた人がいるかもしれないわ」
残念そうに、そうと答えた。
「そうですか、水上都市でもう一度、
相談に乗ってもらいます」
残念そうに、そう答えながら、
キャロさんを膝の上にのせると、お腹を撫で始めた。
今度は、うつ伏せかよ、完全に猫だな、キャロさん。
「違うのよ、あくまで、鑑定ってことだけ。
これから、解呪をするから、
杖を持って、立ってみて」
リイナは、太ももにいたキャロさんを椅子に置きなおし、
テーブルの脇にたった。
「こんな感じですか?」
「杖を前にだしてみて」
リイナは、右手にもった杖を
シャルルさんの前にだした。
「それでいいわ。
解呪」
シャルルさんがそういうと、
リイナの右手が光の粒子で覆われた。




