第433話 間話 乙女3人旅 1日目 ~一家に一台欲しいのはどっち?
朝ホテルを出ると、ギルドマスターとギルド職員の半分が見送りに来て、前日の非礼を再度詫び、次の町への道順を教えてくれた。だが、海沿いを道なりに進むだけなので、本r内の目的は、道中の巨大生物の退治をするか確認したいだけだった。最後にたくさんのお弁当を渡され、それだけは、3人とも笑顔で受け取っていた。
「ありがとう。
道中で、いただくわ」
「では、みなさん、お気をつけてご出発ください」
ヒビキたちのように、ゲートまで見送りもなくホテルの前での見送りとかなり寂しい見送りだったたのだが、三人とも興味がなかったため、そのまますんありと出発していった。
アンナは、また3人での旅で心から、喜んでおり、笑顔が絶えなかった。
「村は小さかったけど、宿はよかったよね」
「そうだね。
でも、時間が無くてお風呂はいれなかったから、
体がべとつくー」
アドアとアンナが騒いでいる間に、とてもとてもおおきな猫が近づいてきていた。
「リイナ姉
あれも、退治するの?」
「当然だよ。
先制でこられたら、私達も直ぐにころされるじゃん」
「だよねぇ」
リイナは二人のやり取りでやれやれと思いながら、魔法を唱えようとしたところで、敏感に察知したのか、森の中に逃げていった。
「し、しまったわ。
これじゃ、逃げていった先で、被害がでちゃうわ」
「でも、リイナ姉さん
流石に追いかけられないよ」
「そうね、困ったわ」
「ギャーーーン!!」
だが、彼女のらは心配は、直ぐに解消された。こっそりと付いてきていたゴブ八に襲い掛かった魔猫は、一撃で討伐され断末魔がリイナ達まで、聞こえてきた。
「どうやら討伐されたようね」
「可愛かったから、少し可哀そう」
「そうも言ってらんないわ
まったく」
「うっ
きたわね、今度は、アドアの番じゃない」
「リイナ姉さんは、ゴースト系に弱かったよね」
リイナが凝視した先の木には、ふらふらとした見るからに体の透けている幽体がこちらを見つめていた。
「あれも、異業種なの?
それとも普通の?」
「普通のゴーストは、こんな真昼間から外にいないんじゃない?」
「そうだよ、
ターンアンデッド!!」
アドアが離れた場所から魔法を唱えると、幽体の周りに光の魔法陣が現れ、上空へと浮かび上がらせるとそのまま光の粒子へと変わって行った。
「楽でいいね
一家に一台、アドアとリイナ姉さんが必要だね」
この後も何度かゴースト系不死系が現れたが、アドアの聖霊魔法によって、いとも容易く光の粒子へと変えて行った。お昼が過ぎたころ、三人がギルドからもらったお弁当を食べていた。いくつかのお弁当を食べ終わり、昼涼みをしていると、ゆっくりと大きく重いものがこちらに向かってくる振動が彼女たちを襲った。
それは、硬い鉱石でつくられたゴーレムで、どんな魔法をも通じない属性を持っていた。まさに、彼女たちと相性が最悪の敵だった。




