第430話 間話 乙女3人旅 0日目 ~ナナねぇって、どんな人?
話は、ヒビキとナナ、エドワードと、リイナ、アンナとアンドレアの3人で2ルートに分かれた時から、話は始まります。
ヒビキ達と反対側の町でまた会うと誓い別れて、3人での旅路を開始したリイナ一行は、キャッキャと別れたヒビキ達のことについて話は盛り上がっていた。
「リイナ姉さん、
ヒビキ兄さんと一緒じゃなくていいの?」
「そうよねぇ~
一緒のほうがいいけど、
決まったことだし、仕方ないわ。
さっさと一周まわるぐらいの勢いで行くわよ!」
「はいはい、
姉さんに従うよ。
にしても、アドアは静かね」
「へ、私?
あの美人の女性と行かせてよかったのかなって思って。
私のヒビキさんが、あの美人にとられるんじゃないかっておもっちゃって」
リイナは、昔の出来事を思い出し懐かしくクスリを笑うと、アドアに話始めた。
「ふふふ。
アドアのではないけど……
ナナ姉さんなら、大丈夫よ。
ヒビキのことは、眼中にないわね」
「どうしてですか?
ヒビキさんって、
優しいし、体形もがちがちじゃないし、頼りがいもあるし、冷静でなんでもできそうでしょ。
あんな素敵な人ぜったいみんなが好きになりますよ」
「ふふふ、
それが、ナナ姉の好みに合ってないのよ。
ひとつも」
「?
どいうことなの
リイナ姉」
リイナは、先ほど思い出した数年前を思い出しまた苦笑した。
「ふふ。
私たちは、結構長いこと、3人で、いろんな大陸をまわってたのね」
「あぁ、聞いたことがある。
もう一人は、ユカリさんでしょ」
「そうよ、ユカリねぇの好みは、イケメンで、自己中っていうかわがままっていうか。
押されるっていうか、俺についてこいって男に弱いのよ。
普段は、自分勝手で、勝手に決めるのに」
「そうなんだ」
「で、ナナねぇは、駄目な人が好きなのよ。
それを助けてる自分が大好きなのよ。
守ってあげたいって感じなのかな。
まぁ、かっこいい人がすきってのは、あるかもね。でも、外見より、絶対中身ね」
「そんな風にはみえないのに」
「そう?
完ぺきなナナねぇだからこそね、きっと。
そうそう
二年前に、ほんとに金銭的にも人的に駄目な人間がいてね。
すっからかんになって、捨てられるまで、一緒にいたことがあったわ」
「もっと、詳しく♪」
「うんうん♪」
「そんなに聞きたい?
まぁ、いっか。まだ暇だしね。
その冒険者ってのが、お金はもってないからたかるし、働きもしないし、冒険もしない。
一回、魔物に襲われたところを助けたところ、そっから、ずっと頼られたんだっけ。
わたしたちは、無下にしたんだけど、ナナねぇは、はまっていったのよねぇ。
そのうち、二人で住むって話に転がって、
わたしやユカリねぇが、絶対だめだって何度も言っても、聞かなくてね。
最後は、僕と私らどっちが大事?って話になって
そいつが、お前は俺のものだ!
っていったらね……」
「うっっわぁっ、
ぜったい、ドン引き」
「でしょ。
それが、ナナねぇは、ころっとわたし達二人を置いて、彼のところに行ったのよ。
信じられないでしょ?」
「え~~
ありえない!!」
「でしょ
で、ナナねぇが、持ってたお金を数日で散財してなくなったら、奴は、いなくなってたのよ。
朝になって、さよならって書置きと共に、置いてあった家財道具、全部持っていかれたみたい。
普段着のみのまま、しょぼんとして帰ってきたわ」
「とても、みえない」
「だよね」
「まぁ、そんなことがその後何回かあったんだけどね……
そっから、ユカリねぇとナナねぇのお金を管理するようになったのよ。
だから、ヒビキってより、橋でどじってたドワーフのほうが、ナナねぇの好みね
ぜったい!」
「で、キラーワードを放つと、もう一直線って感じになるってことね。
ちょっと、安心したよ、リイナ姉。
あ、あれって?魔物でしょ」
アドアが指刺した方角には、巨木から不通と違う雰囲気のまがまがしいオーラがでており、木々のあちらこちらには、毒々しい紫色の実がなっていた。




