第423話 3人目の妹のことを聞いてみよう
魔王ジルの暗躍によって僕とリイナは、とんでもない目に遭っていたのだが、その前からアメリアは策略に嵌っていたたようだ。
「私も、全てを思い出した時に驚愕したのだが、
やっぱりそうなるよな」
「だって、ねぇ」
僕とリイナが、アメリアと顔を見合わせていたが、正確に情報をしらない他の人間は、口に出すか考えているようだった。
「さて、聞きたいこともあるだろうが、話を進ませよう。
そろそろ、生まれるというところで、両親が大きな都市へと湯治に行くことにになり、数人を引き連れて都市を旅立ったのだ。
そして、ジルが私にささやいたんだ。
このマントを着させれば、彼が私を選ぶと」
「うん、で、きさせたの?」
「ああ。
今考えれば、何が起きるか想像ができたんだろうけどな。
直ぐに信じて、私は、そっと妹の部屋にマントを置いたのだ。
そして、ジルに渡された嫌悪の呪いが付くスクロールをローブかけて、部屋の隅に隠れたんだ。
そして、妹と彼が部屋に来てマントを着ると、蛙へと変わって行った」
「で、どうなったの?」
どんどん興味を引いてきたアンナは誰よりも前のめりで聞いていた。
「彼は、茫然としてる私には、気がつかなかったようだ。
許嫁は突然のことで、驚愕しながら、叫びだすと蛙を連れてマントを持ち部屋を出ていった。
暫くして、ようやく自分がしたことを悔やんだんだが、なんとかしようとジルの元にいったんだが、
その時には、王宮には、ジルは消えていたんだ」
「で、で?」
「許嫁は呪いを解くため、王宮を離れたことで、妹をつれて逃走したことになったんだ。
直ぐに、誤解を解けばよかったんだが、相談する相手がいなくて、頭を抱えていたところに、急報がきたんだ……」
「え!
これ以上の?」
もはや、アドアとアンナは、我先にと物語の先が気になっているようだ。
「ああ、更に追い打ちをかけるようだった。
湯治に出ていた王、私の父が襲われ母を逃がすため、その場に残り死亡したのだ。
なんとか、近くの都市まで逃げ切れた母も、直ぐに出産し、そのことで、母も同時期に亡くなったのだ」
「そんな……」
「なんてことが……」
僕らは、絶句したが、話しているアメリはたんたんとして、語り続けていた。
「まぁ、魔王だからな、挑まれることは仕方ないんだ。
そういうものだ」
「でも……」
「だが、その時の私は、自分のことでもいっぱいいっぱいだったんだが、
国のこと、赤子のことと、大変でな。
私は、自分の罪を悔止む暇もなく、赤子の妹を育てなくてはならない現実が直ぐに迫ってきたんだ。
私は、父の部下から赤子を引き取り、名前をパトリシアと名付け彼女を育てあげることにきめたのだ」
「ねぇ、リイナ姉さん。
パトリシアって……」
「そうね、たぶん、想像通りだわ。
とりあえず、最後まで話を聞きましょう」
二人の姉妹が顔を合わせたことで、僕も誰のことを検討をつけたのか、直ぐに察することができた。




