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僕は、この出会いに感謝する!!  作者: 寿々樹ノ葵
第三部 巨獣討伐
420/545

第420話 ゴブ八と別れの挨拶を見届けよう

「どうやら、大丈夫なようだな。

 3人とも、もう安全のようだし、

 我は、出発することにする」

「そう、ほんとに行くのね」

 ゴブ八が、全員に告げるとリイナが、寂し気に呟いた。


 そんな様子に近くにいた僕は、リイナに問いかけたが、返答はちかづいてきたアンナが答えてくれた。

「どこに行くの?」

「マホさんのとこなんですって」

「強くなったら、会いに行こうっておもってたみたい」

「そうなんだね」

 共に旅をしてきた三人が近づいて行き、でっかいゴブリンに抱き着き別れの挨拶を一通りし終わると、こちらを振り返ることなく、海に向かって走り始め、恐ろしいスピードで泳いでいった。その影は、直ぐに小さな点になって行った。


 三人とも影すら見えなくなるまで見送ると、

「あっという間に、いなくなったね」

「きっと、人が多いのが苦手なのよ」


 一定の静寂が過ぎ去り、この中で一番小さな女の子が口を開いた。

「そうなんでしゅね。

 これで、大陸中のイレギュラーモンスターがほぼ片付いたでしゅ。

 さぁ、魔王のおじいちゃまがまってましゅから、会いにいきましょう!」


 僕はその発言で先ほどの地獄を思い出し、問いただした。

「い、行くって、移動方法は、まさか」

「そりゃ、ヒビキ君、

 空を飛んでにきまってるじゃない。

 らくちんでよかったじゃない♪」


 ナナさんの発言に、新たに加わった三人の表情は全員嬉し気だ。

「へぇ、いいなぁ♪

 空の旅♪♪」

「だよね、アンナ」

「ヒビキ、もしかして怖いの?

 今度は、わたしが抱きしめてあげるわ♪」

「大丈夫だ、リイナ

 ヒビキは、私が、しっかりと保護しよう」

「え~、ヒビキ兄さんは、私がいいよね

 だって、一番大きいもん」

「そ、そうだね」

「「「「うぁわぁあ~ん!!」」」」

 適当な本音が吐き出されると、四人の美女が、僕を取り囲んで、睨んでいた。僕は、頭を抱えしゃがみ込むと、シルキィの楽し気な声と共に、体に浮遊感がやってきた。


 風は、8人を包むとゆっくりと上空に持ち上げ、徐々にスピードをあげて、森の奥へと進んでいった。


「いいわね、

 わたしも、先にこれを知っておけば、旅が早く終わってたわね」

「姉さん、

 それだと、ゴブ八にも会えてないと思うよ」

「そうだよ、リィ姉」

「うちは、駄目ね。

 頼りのヒビキ君が、あんな感じじゃ」

「まったくだらしないでござる」

 結局、四人が各々でしがみつくことで、納得したようで、僕は4人でしっかりと抱き着かれ常に誰かにきつくしがみつかれ、目を瞑ることで、心に平穏が訪れていた。


「今度は、そんなにかからないわね。

 もう、目的地がみえてきたわね」

「ほんとでござる。

 かなり早く着いたでござるな」

「そうだな。

 先ほどは、急いで何かあったら困るから、少し遅めに移動してもらってたのだ」

「そうでしゅよ、

 本気はこんなもんじゃないでしゅよ」

 そういうと、ものすごい速さで移動したようで、僕を除いた女性たちの黄色い悲鳴ににた歓声が聞こえたが、僕はどうしても、こっそり開いた目の前の巨乳以外目に入れられなかった。

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