第42話 朝ごはんをいただいてみよう
謝罪のために撫でているのか、
シャルルさんの言うことを聞かなくて撫でているのか。
まぁ、撫でたいだけなんだろうな。
シャルルさんに聞こえるように、
リイナのお腹がなった。
僕はお腹が空かないが、
朝早く起きて、お風呂に入って
2~3時間歩いてるし、
当然、お腹もすくよね。
それでいて、学校の説明に付き合わせて、
少し悪い気になった。
「あぁ、リイナさん、ご飯の用意は、できてます。
私たちの残りで申し訳ないですが・・・・
味は、保証しますよ」
撫でている手を休めた。
「ありがとうございます。
催促をしたみたいで、すみません」
お腹が空いたのを紛らわすために、撫でていたのかな。
そのやり取りのあと、宿舎の方に、
二人と一匹は、向かっていった。
キャロさんも、朝ごはんを貰う気だな。
シャルルさんより、年上だが、
2階の奥にいたお姉さんよりは、下くらいかな。
筋肉質で、スレンダーな猫人だったな、
僕は思い出してみた。
半時もかからず、宿舎に到着し、玄関を通り過ぎると、
奥の部屋には、
6人掛けのテーブルがおいてあり、
奥に料理場があった。
調理場のトレイには、
焼いた魚に、
サラダと白いパン、白い飲み物が
一つ置かれていた。
リイナより先にみれるのは、幽体ゆえだよね。
「この辺は、食べ物に恵まれてて、
犬人族からは、種類やお肉が、
猫人族からは、果物や川魚が。
アンリのような放牧がメインの方からは、
肉や乳製品が寄付としていただけます。
それに、海の方からは、
水上都市 ハインテの町があり、海魚や交易の珍しい物を
調達することができます。
今日は、キャロさんから、
川魚をいただきましたので、
簡単に塩焼きになってます。
おいしかったですよ」
「おいしそうです。いただきます」
そういって、リイナは、串にささった川魚にかぶりついた。
見ているだけで、おいしそうだ。
「私にも、さかなをくれにゃ」
「はいはい、自分でもってきたものを、自分で食べるなんて。
生がいいんですよね?」
そういって、台所の方に、シャルルさんは、向かっていった。
キャロさんは、猫人の姿なると、
リイナが食べてる魚をみると、涎をだしながら、
返答した。
「あぁ、生でいいにゃ」
しばらくすると、皿にはいった生魚を、一匹もったシャルルさんが現れた。
「いただきますにゃ」
猫にもどると、一心不乱に、魚にかじりついてた。
猫で食べる方がいっぱい食べた気になるのかな。
僕は、答えのない自問をだしていた。




