第414話 空を飛んでみよう
「ヒビキ君、地図みてるところ悪いんだけど、
私たちは、どうするの?」
「そうだ。
ヒビキ、私達の討伐に付いて来てくないか。
お前が来てくれたら、嬉しい」
「そうでしゅよ
好いたもの同士は、一緒がいいでしゅよ♪」
楽し気に話すシルキィとは、裏腹に僕は、ほっぺたを引きつけながら、少し考えると
「そうだねぇ
魔物二匹倒してから、町をめざせばいいかな。
少し遅れても怒らないでしょ」
「やっぱり、そういうと思ったわ。
じゃ、
エドもそれでいいわよね」
「問題ないでござるよ」
「その決断は、ありがたいな」
「よかったでしゅね、アメリア
じゃ、みんな集まってくだしゃい。
すぐ、出発するでしゅよ♪」
僕らは、言われたまま少女に近づくと、彼女の周りから、少しづつ風が僕らの周りに集まって来るようだった。
「ねぇ、
アメリア、何がおきるの?」
「ああ、
シルキィの精霊魔法で、風の精霊の力を利用して、空を飛ぶんだ。
歩くより、早くて楽だぞ、
暑さも気にならなくなるしな」
「それは、いいでござるな!」
「そうね、楽しみね♪
早いかしら、早さも気になるわね」
「ぼ、ぼ、ぼ、ぼ、僕は、遠慮したいな」
僕が逃げようとすると、後ろからアメリア(ジーン)が羽交い絞めにし、逃がしてもらえなかった。
「そ、空は、もう…もう、やなんだよぉ……」
「あきらめろ、ヒビキ
飛び始めるぞ」
僕の叫び声も空しく、体に下からの風で浮遊すると、全員がゆっくりと上空にあがっていった。
「へぇ、魔法の絨毯もよかったけど、
こっちも、いいわね。
特に熱くないのがいいわ」
「そうでござるな
熱くもないでござる。
ヒビキ殿もこの魔法を唱えるようになればいいでござるよ」
僕は、怖さのあまり目を瞑りぎゅっと、アメリア(ジーン)の手を握っていた
「やだ、怖いよぉ
もう、早く終わってよぉ」
「しっかりしろ。
怖かったら、私の手を握っていれば、
直ぐに飛び終わるぞ」
アメリアの声は、心から安心できたが、彼女の発言通りには終わらず、半日は空を飛んでいることになった。




