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僕は、この出会いに感謝する!!  作者: 寿々樹ノ葵
第三部 巨獣討伐
408/545

第408話 そろそろ出発してみよう

「おはようでござる」

「おはよう、ヒビキ君。

 朝ご飯が用意してあるわよ」

 二人の声で目が覚め、簡易家を出ると、テーブルに座っていたゲリィさんは、既にお酒を飲みながら、ごつい骨付き肉をほおばっていた。

「おう、おはよう、ヒビキ君」

「おはよう、みなさん。

 僕が最後?

 チャチャさんは、まだ、ねてるのかな」

 辺りを見回しても、特徴的な赤茶色の髪の美女の姿は見えなかった。


「何言ってるの。

 誰よりも早く起きて、朝ご飯の準備をし終わったら、

 そのまま、家に帰ったわよ。

 お寝坊さんは、ヒビキ君だけよ」

「そうでござるぞ。

 といっても、

 拙者もさっき起こされたばっかりでござるが」

 二人が、僕よりも早く仲良く並んで座ったため、ゲリィさんの隣に座ると、テーブルの上には人数分のサラダが小分けに置いてあり、中央には山もりの骨付き肉や、蒸し料理が並んでいた。

「そうなんだ。

 ギルドを休むわけには、いかないもんね。

 僕と違ってえらいね」

「そうよ、

 私たちだけ、相手してればいいわけじゃないんだから。

 彼女に自由な時間なんて、ないに違いないわ」

「そうだなぁ。

 じじいも、強制引退で、大変だろうしなぁ。

 俺は、手伝わんが……

 がははは」

 またも、大きなジョッキを口にくわえると一気に流し込んでいた。僕らは、各々でテーブルに乗っていた料理を食べ始めるとあっという間に、あらかた平らげ、お腹いっぱいになった。しばらくまったりとしていたが、手持ち無沙汰になると、旅支度を始めることにした。


「そろそろ、出発するでござるよ。

 おじじ殿」

「おう、そうか。

 みんな、また来いよ!」

「ええ、またくるわ。

 楽しかったもの、この村♪」

「今度は、自費になりますよ、ナナさん」

「そうね、全部無料だったのを、忘れてたわ」

「そりゃ、楽しいわな。

 じゃ、おまえら、気をつけてな、

 怪我しないように、

 無理すんじゃねぇえぞ」

「ええ、では、行ってきます!」

 僕らは、鍾乳洞で別れを告げ、小屋を出ると、ゲリィさんは、小屋の窓から手振って、見えなくなるまで、見送ってくれた。


「ホテルと違って、変わった感じでよかったですね」

「そうよね~

 一番いいホテルでの、一番いい部屋もいいけど、

 ゲリィさんのとこは、忘れられない思い出になりそうだわ」

「そうでござるな」

 三人でたわいもない会話をしながら、賑わってる大通りをぬけ、村の左上にあるといわれていた最後の町 ジニョーロ町へと続く通りに抜けていった。


「それにしても、明け方なのに、人が多いわね」

「ですねぇ。

 まだ、皆さん元気きですね。

 このあと、何日これが続くんでしょうかね」

「さぁ。あと二日くらいじゃないんでしょうか?」

「「「わぁ」」」

 僕らは、昨日ずぅっと一緒にいた美女の声が急に聞こえたため、驚いた声が通り中に響かせたのだった。

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