第404話 まだ昼だけど夜会を開始してみよう
「さて、宴会の会場の準備はできたぞ。
っていっても、椅子とテーブルだけだけどな。
そろそろ、食べ物もだしていいぞ。
まだ、陽は落ちてないが、ここは、年中うす暗いしな」
「おじじ殿は、相変わらずせっかちでござる」
「私も、喉が乾いたし、
始めてもいいわね♪」
「じゃ、はじめちゃいますか?」
「いいですね」
「あ、いまさらだけど、
よく似合ってるわね、その服♪
これだけセクシーだと、ヒビキ君は、目線がはずせなかったんじゃない?」
「ぶっ!
なんてこというんですか、もう」
確かにナナさんのいうとおり、時折目線がどうしても、チャチャさんのほうに行っていた。
「ふふふ
そうなんですよ、ヒビキさんが時々こっそりのぞき見するんですよ」
「ヒビキ殿、バレてるでござるよ」
「がははは、もっとがっつり見ればいいのに。
男らしくないな!」
「ぐぅぅ」
僕は、弁明をすると泥沼に嵌りそうなので、違う話題へと変えたいが、その話題が全く思いつかなかった。
「いくらでも、見ていいですよ、
ヒビキさんなら♪」
「よかったでござるな。
これなら、堂々と見れるでござるよ」
「いひひひひ。
ねぇ、
もっと近くで見みたらいいんじゃない。
りぃちゃんじゃ、ボリュームが、足りないもんね」
「うひぃ~
もう、簡便してください、ナナさん」
「いいではないか。
減るもんじゃあるまいし、気にしすぎてもな。
それは置いといて、
さぁさぁ、まずは、乾杯だ!
その後は、肉だ、肉。
あるんだろ?」
ゲリィさんは、誰よりも早く座るとナイフとフォークをもって、机を叩き始めていた。
そんな様子をみたチャチャさんは、慌てててお酒をバックから取り出すと一本づつエールをみんなに手渡した。
「はい、これで先に乾杯しましょう。
あとは、少しづつ出していきますから」
「気が利くな。
では、エドたちの冒険と!
この村の未来に、かんぱい!
「「「「かんぱ~い!!」」」
鍾乳洞内に、乾杯がこだました後、瓶がぶつかる音が反響を続けている中、飲みなれているゲリィさんは、あっという間に一本を飲み切っていた。
「早いですね」
「ああ、水みたいなものだからな、
チャチャ、お代わり!」
「はい、次からは、自分でとってくださいね!
ヒビキさんは、言ってくださいね♪」
チャチャさんは、大きな樽に水と砕けた氷の中に、どんどんといろいろなお酒を突っ込んでいった。樽に瓶の大輪が咲いている中、飲み終わったナナさんやエドワードも新しい瓶を手に取っていった。
「ナナさんは、何か買ってこなかったんですか?」
「ええ、
ちゃんと、私も明日の弁当とか買ってきたわ。
焼き魚と豆、薄いパンが一体になったもので、結構スパイシーだったわ、楽しみにしていいわよ。
今夜の夜会用に、焼きイカとヤキエビ、貝などがあるわ。
帰り道に浜焼きをやってたから、人数の倍買ってきてるわ。
とってもおいしそうだったわ。
さぁ、食べて頂戴♪」
話を聞いていたゲリィさんが、大きな皿を三皿用意すると、各更に、いろいろな浜焼きの魚介類が、山積みで積まれていった。
その脇でも、チャチャさんが、焼かれた肉がどんどんと積んでいった。
「さ、ゲリィさんが絶対お肉って言うと思ったから、
お気にいりの店に行って、いつものを買ってきましたよ」
「お、気が利くな。
ヒビキ君、チャチャは、気が利くいい嫁さんになるぞ!
一族になるのも、いいかもしれんぞ」
「ですよね♪
私もそう思てます♪」
「人の人生をなんだと思ってるんですか、もう。
それに、チャチャさんも、揶揄いすぎですよ」
「私は、本気ですけど……
まぁ、夜は長いですし!
さて、どんどん出していきますよ!!」
その小さな一言は、よく聞こえなかったけど、チャチャさんは、揚げ物や蒸しや焼きなどの餃子を山のようにだしていった。




