第401話 今日のおつまみを買ってこよう
大通りでは、先ほどよりも、どんどんと人も増え、開いている店も更に増えていってるようだった。
「すっごい、込み合ってきましたね」
「お祭りと同じくらいの人ごみですよ♪
これは、大通りでは買い物が大変そうですね。
大通りからはずれた場所にある酒屋まで、お酒を買いに行きましょう♪」
「はい、お任せです」
チャチャさんに連れられ大通りをすこしはずれ、かろうじて抜け道として使ってる人しかいない道を歩き出だした。
「この先ですよ。
そこに酒屋さんがあるので、ばんばん買っちゃいましょう」
「みんなたくさん飲みそうですからね。
かなりの量が必要だと思います」
「お任せあれ♪」
彼女は、駆け足で店内にはいっていくと、どんどんと店の中に入って大量のお酒をダース単位で買っていった。僕は、外で買い終わるのを、眺めて待っていた。
「結構、買えましたよ。
夜には、全部無くなりそうっていってましたよ」
「盛り上がってるしね、
わかる気がするよ」
「ですよね、次は、食べ物ですね。
この通りで、テイクアウトできそうな店をさがして、買いまくります」
「はい、素敵です」
にこやかに話しながら、大通りから、一本だけ、ずれた通りを歩くと、かなりの人数がこちらにも流れてきていた。どの店の前にも人はあふれていて簡単には変えそうになさそうだった。
「結構、待ちそうだね」
「大丈夫です、ギルド特権を使いますから」
「いいよ、悪いから、ちゃんと待つよ」
「そうですか?
だいたい、直ぐにやってくれますよ」
もしかしてこれのせいで、ゲリィさんともめてるんじゃないんだろうか。
「じゃ、行ってきますね」
大混雑している餃子屋さんの前にくると、直ぐに、店に買いに入って行ったチャチャさんの後ろで、僕が思案に明け暮れていた。だが、店の中で、店長とチャチャさんが何やらもめていたが、チャチャさんが僕のほうを指さすと店長さんがこちらを見つめていた。目が合い軽く会釈をするとにこやかな表情に変わり、奥に入って行った。
その後、軽い歩調でチャチャさんが戻ってくると、
「ヒビキさん、一刻待ちでしたが、店長さんのご厚意で半刻でだしてくれるそうです」
「いいよ、一刻待ちでそんなにかわらないよ」
「そうですか?
早いほうがいいじゃないですか。
さ、次は、揚げ物をだしてくれる店にしましょうか」
「はいはい。
従いますよ、チャチャ様」
「さぁ、付いてらっしゃい♪
ヒビキ」
彼女が高らか笑いながら僕をつれて、通りの端のほうに向かうと、揚げ物の匂いのする店が見えてきた。こちらは、数人が待っているだけで、それほど、混雑していなかった。二人で列に並んで待っていると、どんどんと商品はさばけ、大半の物が売切れていった。
「だいぶなくなったね」
「そうですね、
注文だけして、また後で、取りに行きましょう
きっと、まだ、在庫はあると思いますから」
「了解です、チャチャ」
「は~い♪
じゃ、隣の酒場で、お酒を飲みながら、
お土産を包んでもらいましょう♪」
「うん、それでいいよ」
いくつもの酒場のメニューを注文してお土産にしてもらうと、出来上がるまで、良く冷えたエールをのみながら、先ほど買えた唐揚げを食べながら、待っていた。店の中は楽し気な会話が聞こえてきたが、僕は、美女をみながらどんな話をしようか考えがまとまらなかった。そして、先ほどの揚げ物やで変えた唐揚げを一つ口に入れると、ふと我に返った。
う~ん、他の店の物をたべながらっていいんだろうか。
少し不安に思いながらも、店員さんからは、特に言われなかった。数人分の大量の料理を受け取ると、お店をでて、出来上がっているであろう、料理をとりに揚げ物や屋や餃子屋に取りにもどった。




