第400話 服をチャチャさんにプレゼントしよう
「じゃ、俺は、お前らの泊まるところや、食事場所とか準備をするぜ」
「僕らは、買い出しに行ってくるよ。
人数分の食べ物と飲み物だね」
「じゃ、私は、ヒビキさんについて回ります♪
お金の心配は、不要ですよ!」
「じゃ、私たちは、海側の温泉があと数か所あったから、
行ってくるわ。
ね、エドワード♪」
「わかったでござる」
「じゃ、ナナさんも途中何か、食べれそうなものがあったら、買ってきてください」
「わかったわ。
ついでに、明日の弁当も買ってくるわ」
「よろしくです」
僕らは、各々目的が決まると、鍾乳洞の真ん中から、方々に散っていった。
僕は、ナナさん達と直ぐに判れ、チャチャさんと共に、どこに行くか決めるとこだった。
「じゃ、最初に服飾屋さんですね♪
村一番の店が、ここから近くなんですよ」
「それは、ありがたいね」
楽し気に、仲良く山道をおり、大通りに向かう手前で曲がると、小さな白い一軒家が見えてきた。 看板から察するにここが目的地のようだ。
「ここですよ、
ここのおばあさんは、腕は一流で、しかも仕事が早いんですよ」
「へぇ、それはすごいねぇ」
チャチャさんは、小さな扉を抜けて、先に入ると中のおばあちゃんと仲良く話し始めた。
「いらっしゃい。
話は聞いたわ、
さぁ、物を出してちょうだい」
エドワードよりも小柄な白髪のおばあさんに、大なめくじからのドロップ品を手渡すと小さな手を叩いて喜んだ。
「まぁ、
これほどの素材を、これだけの量だなんて、すごいわね。
私でも、ここまでのものは、初めてだわ」
「これは、そんないいものなんですか?」
「ええ、それはそれは。
貴族の間でも、ハンカチが一枚あれば、みんなが寄ってくるぐらいの珍しいもので、人気の品物よ。
それを、服を作れるほどの量だなんて。
何を作ればいいのかしら?
どんなものでも、大体の物は、作れそうね」
「そうなんですか。
彼女に服を一着作ってほしいんですけど」
「え?
わたしですか。
皆さんのじゃなくて、いいんですか?」
「ええ、迷惑かけたし、二人はドロップ品に興味ないしね。
今日、色々あったし、お祝いだと思って貰ってよ」
チャチャさんは、歓喜な顔になると、おばあさんは、目を見開いて驚いていた。
「ほんにいいんだね。
これだけのものなら、一生は遊んで暮らせるだけのお金と交換できるんだよ」
「そんなに高いものだったんですね
ヒビキさん、いいんですか、私なんかで?」
「ええ、かまいませんよ
彼女に似合う服をお願いします」
「ほぉ、腕が鳴るねぇ。
これは、人生の集大成となる品物になりそうね」
「よろしくお願いします」
「じゃ、二人の気が変わる前に、採寸するさね」
「僕は、外で待ってますよ」
彼女らの返事をまたずに、外に出て、暫く待ってると、楽し気にチャチャさんは、店から出ていった。
「ありがとです♪
楽しみです♪
一刻ほどで、できあがるんですって」
「集大成の物っていっても、結構早くできるんだね」
「そりゃ、村一番、いえ、大陸一番の彼女だから、当然ですよ!!」
僕は、食べ物を買いに大通りに向かって歩きながら、彼女のことを聞くことにした。
どうやら、あの店主さんは、昔モンテバで店を開いていて晩年にこっちに来たとのことだった。
それにしても、集大成かぁ~
どんな服装になるのか、とても楽しみだ。




