表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕は、この出会いに感謝する!!  作者: 寿々樹ノ葵
第一部 呪いをとくのは簡単だ
4/545

第4話 状況を整理してみよう

そして、僕は、立ち上がり、

着ているものを確認してみた。


左手には、古めかしい本を持っており、

右手には、樫の木のような材木でできており、稲妻のようなくねくねとまがった背丈ほどのスタッフ。

頭には、黒に近い濃い紫の帽子、

腰ほどのマントを着てる。

マントの内幕は白の羊毛っぽいあったかそうな毛、外は、綺麗な白い羽がいくつもぬいつけてある。

これのおかげであったかいのかな。


服は、膝までくらいのワンピースに、

ズボンを履いている。

あとは、なにかの皮のブーツに、皮の手袋。

ぴったりフィットしてるのは、ありがたいね。

あと、見えないけど、首と両指に違和感があるから、ネックレスと指輪をしてる気がする。


扉に顔を向けながら、

なんで、リイナが幽体になっていて、

僕がリイナの体にいるのか、聞いてみたい気がする。


〈ねぇ、リイナ。ぼくがこの体にいる理由知ってたりする?〉

〈知るわけないでしょ〉

即答で、答えられた。

期待はしてなかったけど、想定どおりの回答がかえってきた。

想定通り過ぎて、少し残念。


〈じゃ、杖をとってから、気を失ってる間で、変わったことあった?〉

きっとないんだろうけど、

確認は大事だよね。


〈あなたが、わたしの体にはいってる〉

〈それは、知ってる〉

結構強めの口調で言われたので、今度はこっちがくい気味に同意してみた。


〈そういえば、杖をもったとき、<<あなたは呪われました>>って、声が聞こえたわね〉

〈それだー。〉

なんだ、理由は、簡単だった。

それにしても、急に声が聞こえたりするものなのかな。


〈杖の呪いを解呪すれば、元に戻れそうだね〉

とりあえず、目的は一つできたし、

呪いがとければ、リイナは自分の体に戻れそうだ。


〈そうしたら、ぼくはどうなるんだろう〉

〈今のわたしにみたいに、ぷらぷら浮いてるんじゃない〉

今までのうっぷんを晴らすような適当に話を返してきた。


やっぱり、どこかに体があるのかな。

きっと、あるに違いない、そうであってほしい。


〈そうなったら、ぼくの体をみつけるのを、手伝ってほしいな。〉

〈そうね、考えとくわ。まずは、わたしの体を返してくれてからね。どうなるかは、わからないんだし〉

先のことを想像しても、判らないから、

悲観的になってもしかたないよね。


会話を続けていたら

扉まで、あと十数歩のところまで、近づいた。

〈でも、わたしが朝、廃墟に向かっていたとき、そんなネックレスつけてなかった気がする〉

〈うん?〉

なんだって。

一緒だった冒険者がつけたのかな、そんなことがあるのかな。

そんなことを考えていたら、

扉の奥から、何か生き物が潜んでいるような

がさごそと物音が聞こえてきた

ふごふごいってるし、絶対冒険者じゃないよね。


〈リ・リイナさん、何か扉の奥に何かいるようなんですが?〉

〈何かいそうね。わたしが見てくるわ。ちょっとまってて。〉

そういって、ぴゅーと扉をすりぬけて、行ってしまった。

幽体も便利かもしれない。

ありがたや、ありがたや。


なんて、思っていたら、

あっという間に、リイナが戻ってきた。

〈どうだった?〉

〈オークね。雑魚よ、雑魚。大魔道師の私にかかれば、

火玉ファイヤーボール一発で十分よ!〉

リイナは両手を腰にあてて、自信たっぷりにそういった。

自分は戦えないのに、何であんなに自信たっぷりなんだろう。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ