第396話 仕込み杖をつくってみよう
ゲリィさんが、チャチャさんに介抱されている間に、今起きたことを伝えるか悩んでいた。
「ヒビキくん、
今、溶かさずに、融合したよね?
それだったら、さっきまで、鍛冶場で溶かしてたのって、
意味がないってことなの?」
ナナさんがずばりと本質と付いてきて、少し焦ったが、
「流石、ナナさんですね。
気づいちゃいましたか」
「ゲリィさん、知ったら、また、気絶するんじゃない?」
「ですよねぇ
どうしましょう!?」
僕が、思案していると、ゲリィさんが意識を取り戻した。
「おじじ殿申し訳なかったでござる」
「ああ、大丈夫だ。
あとで、また打ち直せば、直ぐに元通りだ。
気にするほどじゃないさ」
僕は、ようやく気を落ち着かせたゲリィさんに意を決して話すことにした。
「で、融合なんですが、
溶かさないでも、できるみたいです」
「ああ、そうだな。
溶かすのは、集中しやすいから
やってるだけだ、意味はないな」
「教えてもらった時に、見せてもらったからな」
「そうなんですね」
どうやら、僕の考えすぎなだけで、問題なかったようだ。
「ヒビキ君、杖に大剣、まぜてみれば?」
「えっ?
そんなことできるんですか?」
「知らないわよ、どうにでも、できるんじゃない、
ヒビキ君だったら」
「人をなんだと思ってるんですか」
僕は、ふと考えると、杖の中に剣のイメージが現れてきた。
もしかして、可能なのか?
僕は、床に落ちている剣を持ち上げると、
「ねぇ、エドワード、これ、もらっていい?」
「いいでござる。
どうせ、使い捨てる予定だったでござるから」
「ありがとう」
僕は、みんなが何がおきるか見守るなか、杖に大剣が融合するイメージを固めると、魔法を唱えた。
「融合」
杖に、大剣を突き刺していくと先から、光の粒子にかわり、杖に入っていった。
「なんか、前と変わってないわね」
「そうでござるね。
少し先が長くなって、太さがましたようにみえるでござるが……」
「鑑定」
<<名前:世界樹の若木の仕込杖・地>>
<<種別:杖/片手剣>>
<<ユニークスキル:魔法錬度上昇>>
<<ユニークスキル:相互上昇【地】>>
<<ユニークスキル:相対保護【十】>>
<<ユニークスキル:【頑固おやじ】>>
<<価格:???>>
僕は、杖の頭を本体から引き抜くと、薄い両刃の細い剣が出てきた。
「ユニークスキルがちゃんと増えてます。
杖から、仕込み杖
変わったになるのかな
種別も、杖と片手がついてますね」
「おお、凄いでござるな」
「エドワードの剣があったからだよ」
「でも、ヒビキ君だけ、強くなってくわね。
私にも、何かないのかしら」
「あるぞ、
面白いやつが、こっちだ。
きてみろ」
ゲリィさんは、みんなを引き連れて隣の防具庫に入っていった。




