第391話 ロングソードを作ってみよう
「まぁ、だいたいこんな感じだな。
このあと、細かく叩いていって研いで、切れ味をあげていくぞ。
と、その前に、坊主、持てるか?」
彼から、取っ手の部分を渡され、握り部分を持つと、二本指でも持てるぐらいに軽かった。
「なんですか、これ、重さを感じないです。
鑑定」
<<名前:軽快で荒削りな漆黒短剣>>
<<種別:片手剣>>
<<ユニークスキル:【重さ無し】>>
<<価格:???>>
「重さな無しって、ユニークスキルがついてますね」
「だろう。大きな
成功だな。軽いのに、切れ味抜群のアダマンタイト製の剣ができるぞ。
もう少し待て」
僕は、手渡し、少し考えると、お願いすることにした。
「これ、他の剣と融合できます?」
「できるぞ、
だが、かなり成功率は低いぞ。
なにか、融合したいものがあるのか?」
「ナナさん、戦斧譲ってもらっていいですか?」
突然話に巻き込まれたナナさんは、ふと我に返ると、
「いいけど。それに混ぜるのね。
ふ~ん、成功したら面白そうね。
いいわよ♪」
バックから、栄光の戦斧を取り出すとゲリィさんに手渡した。
受け取った戦斧を見ながら、
「おぉ、これは、立派な戦斧だな。
いいのか、こんな高そうなやつを融合に使って」
「ええ、いいわ。
貰いものみたいなものだし」
「だが、ほとんど失敗するぞ。
これで、聞くのは、最後にするが、
ほんとにいいんだな?」
「成功してください」
「いい覚悟だな。
さて、やってみるか。
エドワード、またやるぞ、いけるか?」
「だ、大丈夫でござる」
さっきの鍛冶で全力で打ち込んだことで、かなりの体力を使ったようで、だいぶお疲れそうだった。
先ほどと同じように、金属の容器に剣を入れると少しづつ温度を冷やすと、戦斧の先端を入れていった。
「融合」
どこに入るんだろうかというくらい徐々に沈んで溶けていき、突き刺さっていたアダマンタイトの塊には、前回との差は判断できなかった。
「う~ん、うまくいったのかしら」
「直ぐに判りますよ。
大人しく見てましょう」
ゲリィさんは、同じように持ち手を作ると棒のような形を作って行った。
「さ、エドワード、出番だ」
「りょ、了解でござる」
疲れているのか、先ほどよりも振りが鈍かったが、それでも、先ほどと同じくらいの時間で、剣が出来上がった。
「さっきよりも、長くなったな。
どうだ、鑑定してみろ」
僕は、彼から受け取ると、魔法を唱えた。
「鑑定」
<<名前:英雄の軽快で荒削りな漆黒剣>>
<<種別:片手剣>>
<<ユニークスキル:【重さなし】>>
<<ユニークスキル:【英雄の確撃】>>
<<価格:???>>
「どんな名前なんだよ。
どうやら、確定ダメージのユニークスキルがつきました。
ショートソードから、だいぶ長いソードになりましたね」
先ほどは、腕の前腕部くらいの長さしかなかったのが、片腕分くらいの長さまで伸びていた。
「おお、良かったな。
俺でも、二回成功は、なかなかないからな、
運がいいぞ。
さて、仕上げをするか」
僕は、剣を手渡すと、もう一度お願いすることにした。
「三度目は、可能ですか?」
全員が驚愕するなか、僕は、バックから赤いまがまがしい剣を取り出した。




