第388話 戦利品をチャチャさんに渡してみよう
体を綺麗に洗って、川の音を聞きながら、先に入っていた二人と並ぶように、のんびりと海を眺めていると、だんだんと幸せな気分になっていった。
「いい景色でごるな」
「そうね、海は穏やかで、川のせせらぎが、心地よくて眠っちゃいそうね」
「そうでうねぇ」
「だめですよ、ねむっちゃ。
ふぁぁあ」
「チャチャさんも眠りそうじゃないか」
チャチャさんは、横で、僕の肩をまくらにうとうとしていた。
ナナさんは、膝の上にエドワードを乗せると頭の上に顎を乗せていた。
僕は、ふと思いだすと、
「そういや、
ギルドにモンザさんの戦利品を渡すんじゃなかったっけ。
ふぁぁあ」
「そういや、そうだったでござるなぁああ」
「どうでも、いいわね~」
「どうでも、よくないです!
ぜひ、いただきたいです♪
ふぁぁああ」
4人揃って大きな欠伸をすると、
「じゃ、そろそろ、でようか」
「いろんなところに入りたいしね、次は、どんなとこかしら♪」
「了解でござる!」
4人が別々な思いをしながら、各々の更衣室に戻り、旅館の前で待ち合わせることにした。
着替え終わり、旅館の前でまっていると二人の旅館の宿主が声をかけてきた。
「さっきはありがとね」
「いえいえ、いいんですよ。
みんなで、仲良くできるいいですね♪」
「そうだねぇ」
二人の店主とチャチャさんが、話していると、もう一人の店主がやってきた。
「私も仲間に入れてくださいよ~」
三人でがっしりと握手をさせると、
「ええ、三人で盛り上げていきましょう」
今は、太陽に向けて号泣しながら、指をさしていた。
どうやら、後は、任せておけば、いい感じにやってくれそうだ。
3人がもりあがっている横で、ナナさん達がやってきた。
「おまたせ」
「いえ、待ってませんよ」
エドワードがバックをごそごそと探し始めると、
「ここで渡していいでござるか」
「ええ、大丈夫です、バックに直ぐしまっちゃいますから」
少しづつ宝玉を渡していると、
「結構、りっぱな宝玉ですね。
そこそこの値段にはなりそうですよ。
いいんですか、貰っちゃって」
「ええ、ギルドの足しにしてください」
そして、何につかえるか判らない戦利品を一個づつ手渡すと、一つだけ彼女が持ち上げられなかった。
「こ、これ、重すぎです」
「なに、それ?」
「アダマンタイトの原石でござる」
「そりゃ、おもたいね」
「すごいです♪
初めて見ました♪
この大陸じゃ取れないですし、価値が高いですよ」
「でも、ドワーフじゃないと持てなくて、何もつくれないんじゃないの?」
「ふふふ♪
この村は、この大陸で唯一のドワーフの鍛冶屋がいるんですよ!!」
「んっ、
それは、行ってみたいでござる」
あまり、主張をしないエドワードが珍しかったため、全員で、そのドワーフの元に向かうことになった。




