第38話 心からの謝罪は、素直に受け入れてみよう
コンコン。
シャルルさんが、外から、窓をたたいて、
中のシスターを呼び寄せた。
シスターは、昨日、後から、やってきて、
『早く出て行って』って、言った人だ。
「シュリルさん、少し外から見学させてもらっていい?
邪魔になるようだったら、すぐに他の場所にいくから」
いくら、シャルルさんのお願いでも、
昨日あんだけ嫌われてたから
駄目かもしれないと思ったが、
返答は意外だった。
「ええ、シャルルさん、かまいませんわ。
そちらは、昨日来られた方ですね。
昨日は、ひどい態度をとってしまい、すみませんでした。
どうして、昨日あんな態度をとってしまったのか、
昨日からずっと懺悔してるんです。
赦していただけませんでしょうか」
そういって、彼女は、謝罪の言葉を言いながら、
深々と頭を下げた。
構えていたリイナは、思いもよらなかったためか、
動揺しているようだ。
「い、いえいえ、こちらは、ぜんぜん、大丈夫です。
頭をあげてください。」
あまりにもきょどって、変な言葉になってる。
「こういってるんだし、もう頭をあげたら」
シャルルさんが、頭をあげるように促している。
とても悔やんでいるような顔をしながら、
彼女は頭をあげた。
うしろの教室の中で、「あのシュリルさんが頭をさげてる」とか、
ざわざわして、驚愕の表情でみてる子供たちがいっぱいだ。
きっと、厳しく教えてるんだろうな。
「どうぞ、お好きなだけ、ご見学ください。
あまり、うるさくは、しないでくださいね」
彼女は、悔やんだ表情から、
きりっとした表情に変わっていた。
「シュリル、ありがとう。
少しだけ、拝見させてもらうわね」
シャルルさんも、少し考えている素振りをしながら、
返答してた。
「ねぇ、昨日の話だと、
アンリと同じスキルもちかと思ってけど、
今日の彼女の態度からすると、
違ってたみたいね。」
彼女は、自分の推測が違ったことに、
違和感を覚えたが、違ってよかったと思ったのか、
口調は軽く感じた。
〈実は、昨日・・・〉
どうやら、シューリンさんの話をするのかな。
信じてもらえるんだろうか。
僕は、スイカを思い浮かべながら、
教室の壁をすり抜けて行った。




