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僕は、この出会いに感謝する!!  作者: 寿々樹ノ葵
第三部 巨獣討伐
370/545

第370話 人の失敗は笑って許してあげよう

 ナナさんは、足元で転げまわってる物体をほおっておいて、

「さ、ご飯にしましょう」

「モンザさんが、残してくれたものが、ありますから、

 あれを食べて、もう少し進めば、あの山を越えられそうですね」

「そうね。

 あれを、越えたら、村があるのかしら。

 イノさん、知ってる?」

 ナナさんは、バックから机や椅子、モンザさんが作った料理を取り出しながら、イノさんの気をまぎらわせようとしてるようだ。


「ゴメン コワシテ。

 アッチ イッタコトナイ」

 またしても、役に立てなくて、体を小さくしているイノさんに、追い打ちをかけるやつが現れた。

「まったく、役にたたないでござるな。

 ものを壊したり、疫病神がでざるかもな」

 ナナさんは、黙ってエドワードの首根っこを掴むと、思いっきり、崖に向かって投げ飛ばした。

「イッカイ シンデコイ!」

「し、死ぬでござる~」

 崖の隙間から、エドワードの声が、聞こえたが、どんどんと小さくなっていき、直ぐに、水に落ちた音が聞こえた。

「ちょっと、ナナさん、流石に、やりすぎですよ」

「アア、オマエモ、シニタイノカ!」

「い、いえ、なんでもありません」

 既に、魔物化はなくなったはずだが、怒り心頭の彼女は、誰がどうみたって鬼女にしか見えなかったが、これ以上絡むと絶対に、よくないことに巻き込まれそうだった。


 全ての準備が終わると、びしょ濡れになりながら、エドワードが戻ってきた。

「し、死ぬかと思ったでござる」

「あんな、低いところから、落ちたくらいで、死なないでしょ」

「低くな――」

「――ア、アン、ナニカイイタイノカ」

「いえ、なんでもないでござる」

 エドワードが言ってる通り、崖からのぞき込むと、かなりの高さがあり、上から下を見下ろすと息をのむぐらいの怖さがあった。

 それでも帰ってこれる信じて投げれるんだから、強い信頼関係ができてるんだと思うことにした。


 僕が、崖の上から、見たことで、ナナさんも興味が出たのか、同じように崖から下を見下ろしていた。

「こ、こわっ~。

 よく、エドワード帰ってこれたわね。

 思ってたよりも、何倍も高かったわ。

 ごめんね、テヘ♪」

 とても、可愛らしくウィンクして謝ったが、僕なら許せる範疇をかなり超えていた。

「えへへ、いいでござるよ。

 あんな高さぐらい、拙者なら、余裕でござる、余裕」

「うふふ、素敵♪」

 ナナさんが、エドワードの頭を撫でると、とろけるような笑顔になっていった。


 あいつ、死にかかったっていってたのに、簡単だな。


 とりあえず、誤解?もなくなったことから、落ち着いて、崖の上から眺めの良い風景を楽しみながら、美味しい食事と心地よい海風を満喫していた。


 あと、間もなくで目的の村に到着し、次の町が、リイナたちとの旅の合流地点だと思うと、旅の終わりで、寂しい気持ちもありながらも、早く会いたい気持ちと胸の鼓動が止まらなかった。

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