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僕は、この出会いに感謝する!!  作者: 寿々樹ノ葵
第三部 巨獣討伐
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第362話 格闘術を習ってみよう

 僕は、神妙な顔で、

「なんかいいました?」

「いや、コホン。

 次にいこう。

 もう、重心移動や歩行術で教えることはないようだし、実践で使えてる気がする。

 型を教えていこう!」

 そして僕は、ハン式の底の浅さを知ることとなった。

 20こあった基本型は、オウサ式とほぼ同一で、武器を持っているかいないかぐらいしか違っている要素はなかった。防御術に関しては、オウサ式のほうが、いなしがある分、複雑だったため、教えてもらうことがなかった。

「さ、流石だ。教える前にできている。いや、教えた先にできている。

 これが、天才と凡才の差か」

 がっくりとうなだれる師匠の前に

「オウサさんから、1日がっつりと手取り足取り教えてもらいましたから、それを反復して練習しただけです」

「な、なんと。

 弟子をとらないで有名なオウサさんから、教えてもらえるなんて、まったく、羨ましい」

「え、そうなんですか?」

「ああ、めんどくさいことは、お金を払っても絶対にしないって、大陸では、有名な話だ」

「そうなんですか?

 僕には、簡単に教えてくれましたよ。全貌ではないようでしたけど」

「一緒に戦っていたハン師匠でも、全貌はわからないって言ってたぐらいだ。


 そういえば、風のうわさで、一度だけ、勇者に技を教えたとかあったようだ。


 だったら、俺もってやつが殺到してから、もう二度と教えないことにしたとかしないとか。

 そうそう、実の娘にも教えなかったとかいってたぞ」

「そういえば、アンナは、違う流派を使ってましたね」

「なんだ、妹までも、手中にいれたのか」

「なにもしてませんよ!!!」

 僕は、慌てて否定をしたが、冗談で言ってるだけで、僕の行動で笑い出した。

「ははは。冗談だよ、

 あとは、技だけか、ひと通り見せれば、今のヒビキ君なら、8割くらいは使えるだろう」

「やった!」


 僕は、素直に喜んだのだが、僕と違ってモンザさんは、真顔の表情にもどっていった。

「だが、実践では、格闘術は一度も使うことはないと思うな」

「それは、どうしてですか?」

「うむ。その理由は、2点あり、どちらも根本的な問題がある。

 一点は、純粋な筋力がたりない。だからどんな技をだしても、一撃必殺にはならない。

 ハン式格闘術は、一撃必殺がうりだ」

「確かに、僕は、あんまり筋力がないです。むしろ、他の人よりも、弱い気もします。

 で、もう一点は?」

「だったら、切れる武器で攻撃したほうがたやすい。特にオウサ式が使える以上無手で戦う理由がない」

「まさに、で、でも、武器がとられたら」

「その時は、近くの木の棒を持ったほうが強いだろうし、なんだったら、戦わずに逃げるべきかな。

 それに、武器を取られる状況にならないような、戦略を練るべきじゃないかな」

「なんとも、おっしゃるとおりです、流石、師匠です」

「いやいや、そんなことはないよ。

 まぁ、落ち込まず、一通り技を見せてあげよう」


 そして僕は、ハン式を使っていた彼女を思い出した。

「あ、でも、モモは、僕とそんなに腕力がないと思いますが、戦ってましたよ」

「そうだね、彼女は、武器の適性がなかったから、

 ハン師匠が、娘のために考案したのだよ、ハン式の裏。一撃で敵を制すではなく、連続激で戦闘を進める格闘術を作ったんだよ。

 だから、彼女は、私が使ってる格闘術とは、本質が違う武術なんだ」

「じゃ、師匠は、モモが使ってる技は、つかえないんですか?」

「実践したことはないけど、一緒に練習はしてたから、使えると思うけど。

 習いたいの?」

「だって、僕が使うべきは、力のない一撃ではなく、次につなげる連打でしょ」

 そして、彼は、一考し思いついたような顔になると、

「そうか、人に合わせた武術か。

 状況に合わせて戦うように、人にあった武術を教える。

 うん、ヒビキ君、なんか、判った気がするよ」

「え?

 あ、うん、そうなんですか」

「じゃ、どっちも、一技づつ教えていくから、覚悟してね」

「はい!!」

 僕は、この提案のせいで、倍の時間技を取得する時間が増え、慣れない動作に地獄を見ることになったが、夕日が落ち、今日の旅が終わるまで、僕が泣いてもやめさせて貰えなかった。

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