第36話 学校について、教えてもらおう
昨日、別れ際に、シャルルさんと約束をしていたので、
教会に向かっているわけですが、
リイナの歩みは、鈍ってる。
〈シャルルさんは、よくしてくれたし、
昨日よりは、全然ましだよ〉
〈そうね、そうよね。
会話ができてたし、
きっと、おいしい朝ごはんがいただけるわよね〉
どうやら、お腹が空いてて、
歩みが遅かったということにしたいみたいだ。
意を決したのか、
さきほどよりも、歩みに力強さがでてきた。
村に近づくにつれて、
犬人族の子供たちが目につくようになった。
何かの集まりだろうか、
温泉の時とは違って、
子供だけで、ぞろぞろと歩いていた。
〈犬人族?の子供たちが、村に向かってるけど、
何かあるの?〉
〈教会に学校があるから、それに参加するんじゃない。
クテリトの村では、犬人族は、見なかったけど、この村では、
普通に共存してるみたいね。〉
そうか、学校があるのか。
何を教えてるのかなぁ。
〈学校では、どんなことをならうの?〉
〈そうね、生活するうえで、便利な生活魔法とか。
アンリさんとこで、使った水や風や、
基本的な初歩魔法、火玉とか。
魔物の種類とかも、教えるわね。
あとは、剣術や体術なんかも、あったりするわ。
まぁ、生活するうえの基本的なことを
学ぶことができるのよ〉
〈へぇ、助かるね。僕も習ってみたいな〉
〈ヒビキの場合、時間があったら
子供と一緒に習った方がいいわね。ぷぷぷ〉
なんか、馬鹿にされてるような気がするな。
そんなやり取りをしてると
教会が見えてきた。
教会の前には、シャルルさんがまっててくれて、
こちらを見つけると、
手を振ってくれた。
周りの子供たちも、
シャルルさんに挨拶をしてるところをみると、
慕われているのだろう。
昨日は、夕方だったし、メンタルが折れてて、
涙で外見はよく見えなかったけど、
近づいて、みると、
美人さんなんだな。




