第356話 カニを食べてみよう
僕は、自分を餌にする変わった漁の仕方をする人に、
「大丈夫ですか?なんか咬まれまくってますが」
「気にする必要はない。肉まで届いてないからな。
元気があって、うまそうな魚たちばっかりだよ、ははは」
彼は、全身に体に力をいれると、刺さっていた魚と脇腹にかみついていた魚は、床に落ちてぴちぴちと跳ねていた。流石に、頭にかみついていた魚は、落ちなかったため、顎部分を掴み少し力を籠めると口をあけ、簡単に外れた。ちぎらんとしてた蟹鋏の片側を握力で反対側に折り曲げ外すと同時に他のすべての足も降り切り床に放り投げた。絡みついていたタコがそおっとにげようと橋の欄干に移動しはじめ、隙間にたどり着いたが、直ぐにおっさんが捕まえ、片手で持ち上げ空中に放り投げると手とうで真っ二つに切り裂いた。
おっさんは、二つに分解したカニのはさみの小さいほうを持つと、
「ヒビキ君、蟹食べるかい?
生はうまいよ」
他の二人は、食が細いため、お腹がいっぱいだったが、僕やイノさんは、お腹に余裕があったので、大きな鋏も貰って、大きな鋏をイノさんに別れた小さいほうを、僕が食べる事にした。直ぐにイノさんは、僕の顔程もあった鋏を、一口でほおばると、殻ごと、ばりばりと音を立ててたべきった。
「ウマイ」
僕はその様子をみると、少しだけカニの身をつまんで食べるとと、後はイノさんに挙げることにした。カニの身は弾力があり、ほのかな甘みもあり、とてもうまかった。
おっさんは、バックから、調理台を二つ取り出しながら、
「ねぇ、君、手伝ってくれるかい?
おっと、紹介がまだだった。
私は、モンザという格闘家だ。
隣の大陸で、ハン式格闘術免許皆伝をいただき、修行の旅をしているところだ」
「じゃ、ハンさんのお弟子さんなんですね。
えっと、僕がヒビキで、そっちの女性がナナさん、隣のドワーフがエドワードで。
そこの……」
そして僕がイノさんをどう傷害するか悩んでると、
「イノ ダ」
「@ナノ だよ@」
「ギノ だお」
各々がぺこりと頭を下げて挨拶をした。それほど驚く様子もなく、すんなりと受け入れたようだった。
「よろしくね、モンザさん」
「よろしくでござる」
ナナさんとエドワードは、特別モンザさんに興味がなく、一言だけ言うと眠り始めた。
そういや、昨日の帰りは遅かったんだっけ。




