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僕は、この出会いに感謝する!!  作者: 寿々樹ノ葵
第三部 巨獣討伐
350/545

第350話 アカリさんと別れてみよう

 僕らは、ゲートが見えると、自然に会話が減っていった。

 そんな様子にアカリさんは、明るい声で接してくれた。

「そろそろ、お別れですね。

 短い間でしたが、寂しくなりますね」

「いろいろとお世話になりました」

「助かったでござる」

「そうだお」

 先ほどまでいなかったはずのギノさんの声に振り返ると、後ろから忍び足で付いてきていた。


 悲しげな表情のアカリさんが 

「この先も強力な魔物がいっぱいいると思いますけど、

 無理でしたら、戻ってきてくださいね」

「はい、判りました」

 僕は、前のギルドで、ぼろくそに思われたことを思い出し、苦笑いを浮かべた。

「じゃ、行くでござる。

 アカリさんも、今度は、気をつけるでござるよ」

「ダナ」

 僕とアカリさんは、きょとんとしながらも、ゲートに進んでいたため、問いただす間もなく、ゲートを超えてしまった。ゲートで、僕たちが進んだが、アカリさんは、ゲートで立ち止まった。

 僕たちは歩みを止めることなく進むも、振り返りながら、明るく手を振るアカリさんを見ていたが、直ぐに、曲がり角があって、アカリさんの姿は見えなくなった。


 寂しかったが、それにしても、うぅ、昨日何があったか、聞きたい


 考えないようにしようと、頭を振ると、イノさんのほうを振り向いた。

「ねぇ、イノさん、近くに敵はいる?」

「イル ヨワイ」

「そっか」

 強敵じゃないからほおっておいてもいいよね。


 すぐに、会話が続かずに困っていたが、話題がないまま一刻ほど過ぎると、眠り姫が起きてきた。

「ふぁぁ、よく寝た。

 エドワード、ありがと。

 助かったわ」

 ナナさんが、ほっぺたにお礼のキスをすると、エドワードは露骨に喜んでいた。


「さぁ、頑張って、次の町にいきますか!」

 元気になったナナさんが、エドワードの両腕から立ち上がり、誰よりも早く歩き始めると、全てがどうでもよくなり、明るく輝く海を見ながら、遠足気分で歩き始めた。


 更に、二刻程歩きお腹が空き始め、そろそろお昼時だというところで、大きな川が見えてきた。

「あっちに橋があるでござる」

 エドワードが、指さした先には、大きな橋が架かっており、それ以外で渡るには、濁流の川を半時は泳ぐ必要がありそうだった。

「あれを渡ったほうが楽そうね」

「しかたないですね。

 遠回りになりそうですけど」

 僕らは、川沿いを歩くと、大きな木造の橋に向け歩き出した。


「ハコボウカ?」

「いいよ、少し歩けば、安全に橋で渡れそうだし」

「ソウカ」


 小さなやり取りをしている間に、大きな橋の全貌がみえるところまで、たどり着いたが、真ん中に人影が見え、この後問題になりそうだった。

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