第35話 素敵な提案には全力で答えてみよう
僕はケロ吉になりたい。
僕は、今、小屋の外で、待機中だ。
当然、彼女のお風呂を覗き見させてくれるわけではなく
着替えを見せてくれるわけではない。
一心同体なんだから、
見れていいはずだ、
きっとみれていいはずだ。
ちょっとくらいみても・・
〈ヒビキさん、だだもれてますわよ〉
そんな感じで、
露天風呂にやってくる人を眺めている。
日の出近い時間といっても、
村からは、歩いて2時間以上あるから、
村人はやってこない。
だけど、集落がちかいのか、犬人がほとんどだ。
親子連れだったり、
カップルだったり、
多種多様だ。
いずれ、体を取り戻したら、
入りにこよう、絶対来よう。
〈そんな力まなくても、
その時は、止めないわよ〉
どうやら、また、ダダ漏れていたようだ。
お風呂も無事終わり、
教会にむけて、出発することになった。
途中で、昨日もらった
リンゴをかじりながら、
リイナは歩いている。
〈ヒビキ、カエルもお風呂に入るんだねぇ。
風呂桶のなかで、腕組みしながら、使ってたよ〉
ケロ吉め、うらやましい。
〈いいお湯だったんだろうな。〉
〈いいお湯だったわね。〉
〈今度は、ヒビキも一緒にはいろうね〉
〈ぜ、是非!!〉
〈冗談よ、真に受けないでよ〉
顔を赤くしながら、リイナは答えた。
また、騙されたわけですが、
何か?
憤慨しながら、時は過ぎて行った。




