第348話 寝ているナナさんに食事を上げてみよう
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僕やエドワードが慌ててる中、おばあさんが、お盆に様々な料理をもって、調理場からやってきた。
「あらあら、みんな、おそろいで」
そういうと、イノさんを見たが驚くことはせず、お盆にのった料理をテーブルに置くと、3匹用の生食も運んで来ていた。
「はい、君たちの分」
そういうと、おばあさんは、イノさんや、ナノさんの前に、生肉や野菜などを置いて行った。
「ど、どういうこと?」
僕が慌てていると、おばあさんは、にこやかに笑うと口を開いた。
「昨日は、ありがとね」
「な、なにがですか?」
「昨日は、寒かったから、一緒に寝てくれたじゃない」
ナナさんが、眠たげにしながら、体をおこした。
「聞きずてならないわね。Zzzzzz」
一言だけ発すると、今度は、椅子の背もたれを枕にまた眠り始めた。
「どういうことでござるか?」
「む、むしろ、僕が聞きたいでござる」
思わず、言葉つかいまでエドワードに似ておかしくなると、
「フトン デ ネタ」
「え!
あ、じゃ、あの猫が!」
「そうだお」
にこにこしていたおばあさんは、くるりと回転すると三毛猫になり、調理場に戻って行った。僕とエドワードは、開いた口が閉まらなかった。
暫くすると焼き魚を含めたいくつもの料理が続々と運ばれてきた。
「ふぁぁあ、まだ眠いわ。
あとで、りぃちゃ……zzz」
そういって、また眠り始めたナナさんを置いて、テーブルに置かれた山菜料理や川魚などの料理に手を付け始めた。
目の前にある、アユの塩焼きや煮魚などは、ほっぺたがおちそうなくらいうまかったが、正面に座ってる二人組は、おかしなかんじだった。
「ナナ殿、魚でござる」
目を瞑り口を開いているナナさんが、くし刺しのアユを口のもとに持っていくと、ぱくぱくと咥え、食べれる物が無くなり、口に物が無くなると、また眠り始めた。エドワードは、その都度、魚を回転させながら食べられるところを探して、食べさしていた。串刺しの物が無くなり、フォークで、一口でつ口にいれていくと、食虫植物のように入った瞬間に食べていった。
これ、ぼくもできるのかな?
僕も、煮魚を起用にフォクの腹にのせ、ナナさんの口元に運んでいくと
「何してるの、ヒビキ君、
Zzzz」
完全に寝てたと思ってたナナさんの目があき、恐ろしいほどの冷たい口調で告げられると、そのまま眠った。僕は、あまりの怖さに固まっていたが、
「ヒビキ殿、ナナ殿の世話に拙者で十分でござる」
「あ、うん、任せたよ」
僕は、何を言われたかもわからないほど、混乱したが、僕のお盆に、出されたものを全て食べ終わると、調理場に向かった猫が気になり見に行くことにした。
「おばあさん、何か手伝うことありますか?」
調理場では、まな板の生魚を三毛猫がたべており、僕の声を聴くと慌ててまな板からおり、恥ずかしそうにしているおばあさんに戻った。
「だいじょうぶ。
あと、これが、お昼の分
アカリに頼まれたからね」
おばあさんは、調理台に置かれていた3つの大きな重箱を僕に手渡してくれた。
「あ、ありがとうございます。
道中でいただきます」
僕は、重箱を受け取り、バックにしまうと何事もみなかったことにし、踵をクルっと返して、食堂に戻ると、凄いものをみたような形相のアカリさんが固まっていた。




