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僕は、この出会いに感謝する!!  作者: 寿々樹ノ葵
第三部 巨獣討伐
342/545

第342話 小料理屋で食事をいただいてみよう

 店の引き戸から、可愛らしい笑顔のアカリさんが、こちらに向けて呼びかけていた。

「ヒビキさん、

 もう、入っていいみたいです」

「わかりました。

 今、行きますね」

 僕は後ろを向いてナナさんとエドワードをみると、3人で縦に並んで店に入って行った。中は、4人掛けのテーブルが二つと、カウンターに4人がすわれるだけの小さなお店だった。既に、カウンターと手前のテーブルには、ギルドの服を着た職員が座っており、僕は、奥のテーブルに向かって入って行った。

 どうやら、僕ら以外が入らないように、ギルド職員でうめてくれたようだった。


 僕らは料理を作っていた店主の前を歩くと、目が合い声をかけてくれた。、

「いらっしゃい。

 小さい店で、悪いけど」

 奥のテーブルの手前でたって待っていたアカリさんが合いの手をだした。

「ここのおやっさんは、口は悪いけど腕はいいのよ」

「口が悪いだけ、余計だよ」

「あ、愛想もわるいかも♪ふふ♪♪」

 けらけらと笑うと、店中のギルド職員も笑い、分が悪いと思ったのか、厨房で、料理に集中した。


 僕らが席に着くと、アカリさんが最後に空いていた僕の隣に座った。

「すみません、騒がしくして」

「いえ、仲がいいんですね」

「ええ、よくくるんです。

 安くて、美味しいんですよ」

「あいよ」

 冷たく冷えたエールが、4つテーブルに置かれ、各々がグラスをとった。

「では、ヒビキさん、旅、お疲れさまでした。

 次の旅も頑張ってください、

 かんぱ~い」

「「「カンパーイ」」」

 店中にいる人、店主も含めて高らかにグラスを掲げ、みんなが、一気に飲み干した。


 ぷあふぁぇ~


 それは、よく冷えており、あっという間に胃に収まった。


「いいのみっぷりだね、はい、お代わり」

 直ぐに二杯目が渡され、僕とナナさんは、また一気に飲み干すと直ぐに3杯目をお代わりした。

 3杯目が届くと同時に、野菜のお浸しときんぴらや枝豆などの軽めのものが、テーブルに置かれた。


 僕は、置かれただし巻き卵を一つ食べていると、アカリさんが質問してきた。

「ヒビキさん達は、明日の朝に出発するんですか?」

「ええ、早く、リイナ達と合流しなくちゃ、いけないから」

 手のひらサイズの鳥の照り焼きを持ってきた店主が、

「残念だね、アカリちゃん、ははは」

「何がですか、もう」

 慌てて否定し、急に立ち上がったせいで、テーブルが揺れ、エドワードのグラスが倒れかかったが、倒れる直前にナナさんが、グラスを掴んだことで、倒さないですんだ。


「ふふふ、

 あわてちゃ、駄目よ」

「すみません」

 アカリさんは、下を向いて謝ったが、ナナさんは、そんな様子をほほ笑んでいたが、目線は僕のほうをみて、何か言いたげだった。


「もう、ナナさん、やめてください。

 さ、アカリさんも座って」

「は、はい」

 店主が次の料理の大きな半身のマヨネーズ焼きを全員分置いてきた。

「で、お兄ちゃんたちは、何のためにこの旅をやってるの?」

「大陸の問題を、救う・た・め?」

 僕は、口に出しながらも、本当にそうなのか判断できなかった。

「そうでござる

 ペテ殿に原因をつきとめてくれと言われたでござる」

「そう言ってたわね」

 まだ開始して間もないのに、既に、べろべろのエドワードは、楽し気に語っており、また、濃そうなお酒を飲み始めていた。

「そうだっけかなぁ。

 何にも、でてないよね」

「そんなことないでござる。

 イノさんたちは、犯人をみてるでござるよ」

「そっか、しん……

 させた相手でもんね。どんな人たちか聞いた?」

 危なく進化と言いかけたが、何とか最後まで言うのをやめることができ、僕は、エドワードを見たが、既に眠っていて、返答は聞けそうになかった。


「まだ、聞けてないと思うわ。

 このあと、宿に戻った時に詳細を聞いてみればいいじゃない」

「じゃ、私も行っていいですか?」

 目を輝かせて、こちらを見てるアカリさんには、悪いと思うが、巻き込むわけにはいかなかった。

「それは、ちょっと……」

「知らないほうがいいことは、あるのよ」

 アカリさんは、目線を上にし思い出しながら、顎に人差し指をあげると、

「そういえば、町で言ってた、大ザルと何か、関係あるんですか?」

 楽し気にこちらを見ると、一瞬僕は真顔になり、ほんとのことを話すか、考えなおしてみることにした。

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