第34話 もらったお弁当をたべてみよう
さて、お風呂を先にするか、
ご飯をさきにするか。
悩むところだな。
暗くなる前に、
アンリさんのお弁当を食べて、
シャルルさんからもらった、
リンゴをデザートにしようかな。
〈ねぇ、ヒビキ。
お弁当はたべても、いいけど。
お風呂は、禁止ね。〉
冷たい口調で、リイナはそういった。
〈あったかいお風呂に入りたいよぉ。〉
〈甘えても、駄目なものは、駄目。
シューリン様を凝視したり、
反省なさい〉
お怒り気味だ。
お腹が空いてるのかな。
空いてるのは僕だった。
アンリさんのお弁当と水筒をバックから取出し、
休憩所に設置してある、
テーブルに広げる。
きっとアンリさんは
こうなることがわかって、
作ってくれたんだろうな。
アンリさんに感謝しつつ。
大きなソーセージを一口かじる。
朝は、ボイルで、
お弁当は焼きか。
突合せのお野菜は、蒸かしてある。
ソーセージを食べることで、
野菜の甘みを感じる。
また、アンリさんに会いたいなぁ。
そんなことを考えてたら、
あっというまに完食した。
今日は、朝を食べてから、何も食べてなかったから、
お腹は、すいてたのだろう。
シャルルさんにもらったリンゴを、
そのままかじる。
こぶし大ほどの大きさで、よく熟れてたせいか、
蜜ができてる。
流石に一個は多いかなと思ったけど
甘いものは、すぐお腹にはいっていった。
一欠けらを、ケロ吉にも与えてみる。
このカエルは、なんでも食べるなぁ。
ここのカエルは雑食なんだろうか。
そんな考えのもと、
残った芯をバックにしまった。
〈そこは、ごみ箱じゃない〉
大きな怒り声を後目に、
布とシートをだして、
眠りについた。




