第337話 行先をかえてみよう
僕たちがお腹が空いてるってことは、イノさんたちもお腹空かせてるよなぁ
僕は、ちらちらと屋根伝いについてくるイノさんたちをみると、涙目になっており、彼らを直視をすることができなかった。
ナナさんが、心配そうに僕のほうをみてきた。
「ヒビキ君、どうするの。
少し、可哀そうだわ」
「そうでござるねぇ」
「とはいっても、食材を貰ってから出ないと、あげれないですし……」
アカリさんが、ぼくらのひそひそ話ををいぶしかげに振り返ると、
「どうかされました?」
僕が返答に困ってると、間髪入れずにエドワードが口を開いた。
「できたら、先に食材が欲しいでござる」
「あ、そうなんですか。
わかりました。そんなことなら、早くいってくださいよ。
まずは、ギルドに行きましょう」
原因がわかったことで、アカリさんは、にこやかに変わり、順路を変えて歩きはじめた。
「うまくいったわね、
言ってみるものね」
「そうですね、やったね、エドワード」
「拙者は、会話しただけでござる」
口では、ああいっていたが、顔は喜んでおり、素直になれないエドワードをみて、ふふふという気持ちになった。
アカリさんに連れられて、半時ほど歩くと、徐々に人を見かけるようになってきた。
「どうやら、不安がなくなったか、町の様子を窺ってる感じですね。
すごい落雷の音でしたからね」
「そ、そうですかね。
みんなが喜んでくれたら、イノさんたちも喜びますよ」
「た・ち?
たちってなんですか?
一人じゃないですか?」
しまったというような表情を僕がしていると、ナナさんが、割って会話をしてくれた。
「お、お供がいるんですよ、貴族のでですからね」
「そうでござる。ギノさんとナノさんがいうでござる」
「へぇ~
そうだったんですか。
あっ!!!
さっきの宿を四人って、言っちゃいました。
6人だと、きついかと思います。
どうしましょう」
「だ、大丈夫ですよ。
二人は小さいから、ドワーフ以上に小さいから。
もし、駄目なら、僕がほかの宿を使うから、任せといて」
「そうですか?
もし、困りごとがあったら、ギルドに来てくださいね。
夜番がおりますから、対応してくれます」
「わかったわ。
あ、間もなく、ギルドに着くわね」
「じゃ、行ってきます!」
アカリさんは、元気に走り出すと、僕ら三人は騙し切れたかなと肩の荷を降ろした。




