第336話 宿をとってもらおう
だいぶ町の中心から外れ、人は消え、宿らしき建物が見えてきた。
「あれですか?
アカリさん?」
「ええ、一グループか二グループの客しかとらないんですけど、
サービスは、評判なんですよ」
「へぇ~。
どんなサービスだろう、楽しみかも」
「私も聞いてないんで、どんなのでしょうね」
僕は、どんなのか想像もつかなかったので、楽しみに取っておくことにし、食材の調達について聞くことにした。
「なんか、料理するような、肉とか野菜とか、買えますか?」
「ちょっと無理そうですね。
モンスターの影響で流通がとまってますし、バンパイアの件で、より一層店が閉まってます。
これから、ギルドに戻って、食材が調達できないか、
探してみますね」
「助かります。
この後、宿の後、食事会ですよね」
「そうですよ~
宿の手配して、食事の場所に連れて行ったら、私は、ギルドによろうかと思ってます」
「すみません
お手数かけて」
「いいんですよ。お気になさらずに」
会話が終わるころには、宿の竹構えの入り口に到着し、僕たちは、交渉しにいったアカリさんをまってる間、辺りを見回すと、藁ぶきの屋根の上でイノさんたちが、手を振っていた。
「あそこにいるでござるね」
「そうねぇ
早く、バンパイア退治の件を聞いときたいわね」
「そうですね。
ここだといいですね」
すぐにアカリさんが、にこにこと戻ってきた。
どうやら、交渉はうまくいったようだ。
「どうでした?」
「ええ、今日は、誰もいないようなんで、貸し切りでいいんですって」
「それは、ありがたいです」
「あと、細かいことは、女将さんに聞いてください。
女将さんが少し準備をしたいってことなので、
先に、食事会場に行きましょう」
「判りました」
「では、こちらです」
僕らは、イノさんの悲しそうな視線が痛かったが、アカリさんの後ろについて歩き始めた。




