第332話 シルバさんと話をしてみよう
誤記修正
副ギルド長のアカリさんに付き添うながら、大きな建物に入って行くと、一階の大ホールに、銀色の年配の女性を中心に20名以上の職員がたたずんでいた。銀色の小柄な女性が、ギルド長であり、例の方ではないかと推測しながら、近づいていった。
彼女は、こちらに視線に気づくとにこやかな笑顔に変わって、口を開いた。
「私が、このギルド長のシルバァバァです」
「シルバ様、初対面の方に失礼ですよ」
アカリさんが窘めると、シルバ様と言われた人物は、更に、にこにこしており、シュシュさんが以前に言っていた通り、これまであっていたカラーズの特徴があり、そのまま彼女らが、年を取ったと思わせる風貌を思わせた。
「シュシュから、話は聞いてますが、
はるばる魔物を討伐しながらの道中、お疲れさまでした」
「いえ、困ってるときは、お互い様ですから。
お気になさらずに」
僕は、笑顔で返答すると、予測した通りの回答だったといわんばかりに、早々に頷き、僕らに付いて来るように促すと、二階の奥の部屋に連れて行かれた。
二階に上がる際に他のギルド職員は、付いてこなかったため、応接室には、シルバさんとここまで連れてきてくれた副ギルド長の二人と僕ら三人だけだった。
「町は、もっと人がいるかと思いましたが、
思ってるほど、外にでてないですね」
僕の質問を聞いて、アカリさんが、シルバさんを遮って、話始めた。
「そうなんです!
先日、バンパイアロードが、町の上空から、全員をバンパイアにしてやるって騒いだ事件がありまして……こちらも早急に対策をとって、町で選りすぐりの冒険者、4名で討伐に行って貰ったんですが……」
「どうなったのですか?」
「四名のうちの三名をバンパイアにして、戻ってきたんです」
「気の毒だわ」
「戻ってきても、町には入れないでござるよね」
「その、バンパイア達は、その後どうしたんですか?」
僕の質問を聞くと、アカリさんの顔がさらに曇った。
「それが、町の上で巨大蝙蝠となって、四匹で飛んでいました」
その話を聞いて、僕とナナさんは、顔をしからめると、
「それは、怖いですね。
もう一人は、どうなったんですか?」
「わかりません。
ですが、一匹は、たぶん、バンパイアロードだと思うんですが、
この町を通過して、ヒビキさん達が来た村に向けて飛び立っていきました」
「あぁ、道中でバンパイアロードっぽいものと、会ったでござるから、
退治したでござる」
「「えっ!!」」
二人が、驚愕の表情を浮かべていた。




